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大家の思いやプロセスを伝えられるからこそ、築44年でも入居者が見つかる

東京都荒川区で築40年超えEV無しマンションを運営する戸田さんにインタビュー

トダビューハイツ

24歳の時に祖母から1978年築の「トダビューハイツ」の大家の仕事を継いだ戸田江美さん。継いだ当時は築40年近くなり空室が目立っていましたが、今では全12戸が満室になる人気物件に

トダビューハイツには計5名、最近戸田さんが新築された全3戸のアパート「ロジハイツ」には1名が物件ファンを見て入居されたそうです。

実は戸田さんには物件ファンのライター兼大家さんとして、「トダビューハイツ」の記事を書いていただいています。「物件ファンがなくては成り立たないです。」と言ってくださる戸田さんに、「トダビューハイツ」やこの街に愛着を持って暮らす入居者さんを見つける秘訣を伺いました。

どんな物件?

東京都荒川区 / 築40年超え / 全12戸 / 4階建て / エレベーター無し

アクセス:東京さくらトラム(都電荒川線) 東尾久三丁目駅 徒歩3分 / 日暮里舎人ライナー 熊野前駅 徒歩6分 / 東京メトロ千代田線 町屋駅 徒歩12分

面積(1DK〜2DK):約37㎡

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築40年超えるとポータルサイトでは検索に引っかかりづらくなる

—— 戸田さんは普段、どのように入居者さんを募集されているのでしょうか?

戸田さん: 募集する時は物件ファンと自社サイトがメインですね。たまに別の不動産会社にもお願いしてます。

—— 大手ポータルサイトは使われていないんですね。

戸田さん: うちの場合あまり効果が出なくて……。

以前は祖母が大手の不動産会社さんに客付けを頼んでいて、そこからの入居者さんはポータルサイトで場所や価格、築年数などで検索して物件を見つけていました。でも築40年近くなると検索にひっかかりづらくなるんです。人が来なくなってたので募集は基本物件ファンと自社サイトにして、もう戻さないでいいかなと。

コンセプトやプロセスを好きになって入居するから、ちょっと不便なこともマイナスにはならない

—— なるほど、ではなぜ物件ファンでの集客はうまくいっているのでしょうか。

戸田さん: 物件の背景まで伝えられるところでしょうか。

物件ファンを見て入居された方に、物件を運営する上での背景が見えて、コンセプトやプロセスに共感できるところが良かったと言ってもらったことがあります。「トダビューハイツ」なら、空室が目立っていた物件をおばあちゃんから継いで…とか、「ロジハイツ」なら、空き地をどう活用しようか考えてイベントを開催した所から始まり…とか。

私の場合、大家の人となりを出して募集しているのもポイントになってると思います。今の時代は大家さんと直接やりとりする機会も少なく、どんな人か見えにくいですよね。事前に「こんなスタンスでやっていますよ」というのが伝えられるのは、大家と入居者の双方に良いことだと思います。

—— 物件の背景を知ったうえで入居される方は、どんな方が多いのでしょうか。

戸田さん: 物件を気に入ったうえで、文章を隅から隅まで読んでくれています。良いところも、不便なところも事前に理解してから来てくれるのがありがたいです。

内見時に、物音など気になることはないか質問すると「この家なら生活音まで良いと思える」と言って入居してくださった方がいたのが嬉しかったです。物件の築年数や設備等のスペックを重視して入居された方だと、中々こうはならないと思います。

以前は20〜40代の方がメインだったのですが、最近は50代の方も。スマートニュースで物件ファンを読んで、みたいな出会い方が増えた印象です。

—— 戸田さんが大切にされていることが入居者さんにもしっかり伝わっているんですね。近隣の生活音がむしろ良いと思えるくらい愛着が湧くってすごいことです!

大家の「物件への思い入れ」が伝えられる

—— 物件ファンで入居者募集をする上でのおすすめポイントはありますか?

戸田さん: 大家や設計者の「物件への思い入れ」みたいなのが伝えやすい所ですね。

例えば、これまでの入居者さんは自分らしくお気に入りの部屋にDIYしていました。そんなふうに、新しく入って下さる方々にも愛着を持って暮らしてほしいです。

また入居者さんには私の大好きなこの街ごと気に入ってほしいと思ってるので、物件のことだけではなくエリアのことも紹介しています。

荒川区エリアマップ

おばあちゃんになったときまで楽しんで荒川区に

—— ありがとうございます。では最後に戸田さん自身のことも聞かせてください。戸田さんが大家さんとして心がけていることは何でしょうか。

戸田さん: 住人さんと近すぎず、離れすぎない距離感を大切にしています。

例えば、住人さんたちとお散歩会や食事会を開くことがあるのですが、頻繁に開催している訳ではありません。私も住人さんも気疲れせず楽しめる、ゆるやかな関わりを大切にしています。

できるだけ長く続けられるペースでいることも心がけています。

—— 息切れしないペースで大家さんを続けていくことが大事なんですね。これからも荒川区で大家さんを続けていく中で、どういう街を作っていきたいですか?

戸田さん: おばあちゃんになったときまで楽しんで荒川区に住めるようにしたいです。画一的な物件ばかりだと街がつまらないですしね。個性的な物件を楽しむ方が増えることに少しでも貢献できれば、街の魅力が増し、長い目で見てこの街の家賃が下がらないことにも繋がるのではと考えています。

自分の物件のことだけを考えているのではなく、街のことも愛している戸田さんだからこそ、共感して入居してくださる方がいるんでしょうね。戸田さん、ありがとうございました!

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