この一枚の写真だけで、 立派な古民家だとよくわかる。 縦横に交差する太い梁が非常に頼もしい。 内外装をリフォームされ 現代と古き良き時代との 100年を超えた時の交差を楽しめる、 広々とした、蔵付きのお家です。

約258坪の敷地には 平屋の母屋に 2階建てのはなれ、 車は4台、駐車可能とのこと。 ああ、まずはスケール感の違いに ノックアウトされました。 なんと、まあ、広い…！

10LDKの間取り図は いつまでも見ていられそう！ （私だけかしらん？）

図にはありませんが、 納屋と倉庫もあるそうですよ。

蔵はリビングとつながってるのかな。 別建てしか知らなかったので、 こういうのもあるんだ、と驚きました。 蔵の前にある、 物置スペースも気になるところ。 期待に胸が膨らみます。

わ！蔵だ！ と、いかにも重厚感のある扉。 白と黒の対比が凛として美しく、 静謐な気持ちにさせてくれる。

ここにも、たくましい梁が 屋根をしっかりささえている。 蔵の前の物置はひらけていて、 土間になってます。 外から直接、出入りできるんですね。 不意に現れたオープンスペースに 不思議とワクワクしてしまう。 ギャラリーやカフェなどに、 土間と蔵とを、 有効活用できるかも…？

隣接するリビングは うってかわって、 モダンなつくり。

天井のダウンライトが さりげなくおしゃれだ！ 今年、入れ替えたという水回りですが、 木目調のシステムキッチンと 飴色のフローリングは 元からある建具との相性もよく、 お家が持つ懐かしい雰囲気を 損ないません。

IHクッキングヒーターと 対面式のキッチンも ゆったりとして使いやすそう。

広ーいお家ですものね、 大家族や大勢のお客様でも どんとこいです。

ちなみに、お風呂は このように新しくなっていて。 木目調のアクセント壁と、 優しい色合いの大理石模様が、 やすらぎのある 高級感を醸し出しています。

それにしても、 開口部がどこも大きくて 明るいなあ。 日の光がよく入り 居心地いい印象。

キッチンから見えていた玄関は、 外から見ると、こんな風。 白い漆喰に 腰高の茶色のタイルが、 なんとも良いじゃないですか。 大きいほうはお客様用で、 小さいほうが 家族の玄関だったのでしょうか。 もちろん、 そのような使い方もできますが、 どちらかを締め切りにして シューズクロークにしたりなど、 アイディア次第ではいかようにも 新しい役目を担ってくれそうです。

では、いよいよお待ちかね。 手前の15帖と建具の奥の10帖を足して 圧巻の25帖の大広間です。

写真右上の 高い所にあるのは 神棚なのかな？ 壮麗な意匠で、思わず 頭を垂れてしまう。 建具だって、素敵です。 こっくりと深い茶色で、 築105年のお家にふさわしい。

縁側の方の障子戸は 格子模様だけではなく、

変わり組み障子も取り入られていて 遊び心を感じます。

ふたつ並んだ 4.5帖の洋室は 子ども部屋にしましょうか。 それとも、 未来にタイムスリップしたかのような 最新鋭のオーディオルームにして、 お家とのギャップを 味わうのもオツなものかも。

お家の周りは 野と山とが連なって、 緑あふれる、なんとも のどかな風景。 田舎暮らしを楽しむには 持ってこいなお家。 魚の市場通りで有名な 寺泊港には車でほど近く、 にぎやかさが恋しくなっても さびしくなさそうですよ。

これぞ古民家！ と言いたくなるほどの 堂々たるお家。 モダンさも付け加えられた 風格あるたたずまいは、 これからも引き継がれ、 住む人に 愛され続けていくことでしょう。

文・葱山紫蘇子 劇団維新派→色々→介護業を経験。漫画と建物と書き出し小説が好きな4人の子を持つ大阪のシングルマザー。 @sisokoex