ゆらゆらと、あちこちで 木漏れ日が揺らめいています。

端正な石タイルの上で、

表情豊かな壁の上で、

バスタブの上で。

この家は、リビングとテラスの間、 木漏れ日の差す もっとも居心地の良いスペースに 広い浴室を配置した、 お風呂が主役の平屋。

リビングでくつろぐように 入浴するという 贅沢な時間をイメージして 設計されているのです。

場所は、京都御所の北側、 相国寺にほど近い閑静な住宅街。 見るからにコンパクトな かわいらしい平屋です。

2025年の全面改装時に、 昔ながらの京町家の意匠を再現。 伝統的なたたずまいに 現代のデザインや機能を ふんだんに取り入れ、

たとえば照明は、 「空気に色をつける道具」を コンセプトに銅製の照明を手がける 滋賀・Atelier Key-menの プロダクトを採用。

味のあるポストも Atelier Key-menによる ハンドメイドです。

ディテールへのこだわりに すっと背筋が伸びたところで 玄関へ入ると、

柔らかな色合いと自然な質感の 大谷石を使った踏み石が 出迎えてくれました。

玄関を上がってすぐの畳スペース、

その奥の石タイルのリビング、 そして、まるでリビングの一部のような バスルーム、テラスと庭。 それらがワンフロアにぎゅっと詰まった 小宇宙のような空間です。

畳スペースには押入れに加え、

玄関脇に4カ所の床下収納を設置。 おかげで玄関周りを 美しく保つことができます。

リビングのタイル床は床暖房付きで、 冬も足元からぽっかぽか。

家のサイズの見合わぬ 大きさのキッチンは 4くちガスコンロを完備。

スタイリッシュながら 町家になじむデザインも魅力的です。

続いてお待ちかねのサニタリーへ。 浴室はリビングとつながっていますが、 障子戸の奥にちゃんと脱衣所があります。

ここで準備を整えてから、

木漏れ日の落ちるバスルームへ。

ゆっくりとお湯に身を沈めて、 目襲するもよし、読書するもよし、 音楽を聴くもよし。

少しのぼせてきたかなと感じたら、 窓の外のテラスに出て 外気浴するまでがセット。 なんて贅沢なバスタイム…！

バスルームにはカーテンがあるので 来客時は目隠しもできます。

けれどもひとりのときは、 ぜひカーテンを全開にして。 お家そのものを巨大な バスルームに見立てて入浴する、 それがこのお家の醍醐味なのですから！