建築士や作家、料理人などなど、 さまざまな肩書のクリエイター13名が それぞれに内装デザインを担当した、 レイアウトも設えも部屋ごとに違う 賃貸マンション「ロイヤルコート嵯峨」。

先日、企画概要をお伝えしましたが、 唯一無二の各部屋の詳細を あらためて見てまいりましょう。 今回は、コンテンツクリエーターの 藤原麻里菜さんがデザインした 「小さく作るための部屋」。

物を作ることが生活の中にない人も、 物作りが大好きな人も、 「この部屋にこんなものがあったら」と 思いついたものをすぐ試作できる環境── “無駄づくり”で知られる藤原さんが 考えたコンセプトの通り、 最大の特徴はこちら、

3Dプリンターがお部屋に鎮座していること。 （いちおう「残置物」扱いだそうです）

こんなものが最初から部屋にあれば 使ってみない選択肢はない。 いわば新しい趣味や生きがいを 提供してくれるお部屋ですが、 それを差し引いたとしても 十分に魅力的な住空間に仕上がっています。

LDK＋和室＋水回り＋ サービスルームという間取り。 3Dプリンターはどこにあるかというと、

LKDの中央付近、写真右の棚の中。 3Dプリンターが影を潜めていても 天井がすこーんと高く、 窓からは自然光がたっぷりと注ぎ、 これだけでも気持ちの良い 部屋だとわかりますね。

逆側から見るとこう。 広いLDKには ダイニングテーブルやソファを ゆったりと配置して。 その奥には、

作業のためのスペースが しっかり確保されています。

窓際の造作デスク、憧れますよね。 ものづくりでも事務仕事でも オンラインミーティングでも なんでもできてしまいそう、 そしてめちゃくちゃ集中できそう。

窓の周囲にびっしりと めぐらされた格子は、

たとえば3Dプリンターで ちっちゃなオブジェを つくるとするじゃないですか、

それをこのように飾ったり、 掛けたり、はめたりできる 什器になります。 すばらしいアイデアですね、 かわいい、楽しい！

キッチンは小上がりの板間に。

こちらも2つの窓に囲まれて 日中はこんなに明るい。 夜は夜で頭上の照明がポッと灯り、 良い雰囲気のなか お料理に没頭できそうです。

寝室が和室なのも ぐっとくるポイントです。 眠ることとリラックスすること だけに特化した空間。

障子を開けると窓、

そして和室の入口付近には 奥まった収納スペースがあるのですが、 そのさらに奥にもうひとつ扉を発見。 なんだこれはと開けると…

なんと、小部屋が隠されていました！ アーチの開口といい、壁の質感といい、 隠しておくにはもったいない クオリティです。 藤原さんはここを「儀式部屋」として デザインしたようですが、 ウォークインクローゼット的な 空間にしてもよいのかなと思います。 もちろん儀式に使ってもOKですよ。

水回りは洗面兼脱衣所、

ゆったりしたバスルーム、

トイレのいずれもミニマルなデザイン。 シンプルイズベスト、ですね。

この部屋で「生活と創作がポジティブに 作用する時間を過ごしてほしいなと思う。 コンビニには売ってないし、 そもそも売っても誰も買わない ものをつくろう」と藤原さん。 入居者さんには彼女ならではの 「作りたいものを作るためのノウハウ」を 限定公開してくれるそう。 ものづくりをする習慣は皆無だったけれど、 ここに住んだらハマってしまった。 そんな素敵なことが起こりますように。