私は一人っ子だから、いずれ実家に戻るだろう、とぼんやり思っている。
執行猶予みたいにぽっかり空いた時間。生活そのものを自分好みにしてみたい。

いちから家を建てる、なんて無理だけど、賃貸でもこだわりたい。
トイレとリビングは隣接しないとか、玄関から部屋が一直線に見渡せないとか。
お風呂とトイレが分離されているのも「こだわり」の一つだ。

白いタイルが敷かれた玄関だって、(実は)ガーリーなものが好きな私にぴったり。

入ってすぐのところにあるキッチンは、小さいけれどきちんと料理が出来るスペースが確保されている。
取っ手のところにタオルをかけて、蛇口上にはふきんを掛けておく。
右奥にハンドソープと洗剤を置いて、コンロ横には立てるタイプのまな板を置いておこう。
実家とは全く違う、自分の生活だなあ。

トイレ、空気がこもるのが嫌だから、窓が付いているのは嬉しい。

冬場は絶対に湯船に浸かりたいから、お風呂はマスト。
たまにインスタグラムに出て来る、Aesopとかjohn masters organicsのシャンプーを湯船のヘリに並べたような写真。ああいうの、きっと撮りたくなるんだろうな。

ずっと木造の家に住んでたから、こういう無垢の床？というのか、木の床が好きだ。
スリッパを履いて歩くけど、夏場はぺたぺたと足の裏で木の温度を感じたくなる。

窓側から部屋を見たところ。そうそう、このドアがあるところが気に入ったんだ。
玄関から部屋が丸見え！って、通販をよく使う私には致命傷になりかねない。
この小さい棚には、なにか可愛い雑貨でも置いちゃおうかな。ちょっと神棚みたいだけど。

作り付けの収納も、このサイズの部屋にしては結構大きめなのがいい。

ベランダ側から部屋を見てみる。壁際にベッドを置いて、反対側にテレビと棚。
実家の生活のにおいとは違う、わたしの部屋の生活のにおいがする。

南向きの窓からは、むき出しの日光が入ってくる。

「1階に住むの？大丈夫？」と両親を心配させたけど、まあ、大丈夫でしょ、と曖昧に納得させた。
ベランダが広いのは、いいことでしょう。この植物たちが先に住んでいたみたいだけど。
先住民をどう納得させようか。ミントやシソを植えるなんて意地悪をしてみるつもりはない。

ここの一階に住む自分を想像してみる。
結構、悪くないんじゃないか。というより、とても良いんじゃないか。