街コンで出会った年下の旦那は、大家さんでした - 物件ファンは、大家さんファン。

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忘れがちですが、世の中には、物件の数だけ大家さんがいます。たのしい物件には、たのしい大家さんがいるはずです。

大家さんと会ったことある方も、そうでない方も。不動産好きだったら、物件だけじゃなく大家さんも愛でましょう。

これが、新しい不動産の嗜み方です。

今回は、あかぎハイツの赤城さんご夫婦。

旅館に嫁いだら女将さんになりますが、大家さんに嫁いだらどうなりますか?

あかぎハイツは、松戸市にあります。 新京成線の「みのり台」です。

1974年築、60戸あります。

芳博さん(よっちゃん)のお父さんを社長として大家業を営んでいます。よっちゃんは、30才。フリーターをしていましたが、少しずつ家の仕事を手伝うようになりました。4歳年上の真樹子さんと、自分でリノベーションした部屋で、二人暮らししています。

大家さんは、大工見習い中

毎日、なにをしているんですか?よっちゃん

今は、空室の改装をしています。

真樹子さん

よっちゃん、ほぼ大工だよね。

よっちゃん

大工かもしれないですね(笑)

ほんと駆け出しで、手探りでやっています。大工さんの作業を見ながら勉強したり、検索したり。家具を作っているところへ見学しに行ったり。あとは、ユーチューブとか。ぼくらの部屋が実験台みたいな感じです。

真樹子さん

勝手に始めちゃったんだよね。

よっちゃん

そうだね。社長が商店会の旅行かなんか行ってる時に「いないから壊しちゃおうかな」と思って。

ぼくの父親なんですが、家族だとなあなあになってしまうので「社長」と呼んでいます。これまでフリーターと学生しかしてなくて、社会に出てないので。

うちの父親も、おじいちゃんから継いだので、外で働いたことがないんです。周りのしっかりしてる人から見ると、ボサッとしてるように見えるかもしれないですね。

空室を、一つずつリノベ

真樹子さん

わたしは何もしてなかったんですが、ここの家の仕事がだんだん見えてきて、少し意見を言うようになりました。「このままじゃまずいぞ」と思って。

人が入らなくなりはじめたのが、たぶん10年くらい前なんです。この5年程は本当に難しくなっていて。昔は一階にスーパーもあって便利だったと思うんですけど……過渡期だよね。

よっちゃん

水回りの更新が遅れちゃって。空室のほとんどがバランス釜なんです。バランス釜を給湯器に変えるのが遅れて。

父親の会社に入った頃は、定期清掃と簡単な補修だけで、何かを作るのはやってなかったんです。この部屋を改装したのが二年前で、そこから一部屋ずつ、床だけ貼ってみよう、とか、順番に手を入れています。

真樹子さん

わたしは指示出しです(笑)

いつも「ここどうしたらいい?」って聞かれるから。リノベーションして入ってくれた部屋もあるんですけど、これだけじゃ厳しいなあ、というのが分かっていて。不動産屋さんに来るお客さんって、新築がいいじゃないですか。

よっちゃん

リノベーションした部屋が3DKで7万4千円なんですが、松戸でこの家賃出すなら、都内に住むっていう人は多いと思います。自分で言うのもなんですけど(笑)。8万円くらい出すと、みのり台でフルスペックの新築アパート借りれちゃうんですよね……。

真樹子さん

戸建を買う前に、お金を貯めるために安いところに住めたら、という人が多いのかなあ。二人家族の方だったりすると。一人だと、この値段だと住めないなあ、という人がこのへんだと多いよね。

よっちゃん

折り込みチラシで『新築マンション、月々6万円台、頭金なし!』みたいなのもけっこうあったりするので。シビアなのかなあって感じですね。

真樹子さん

シビアですね。ぜったい戦えないな、と思って……。「別のことで知ってもらったほうがいいんじゃない?」ということで、最近、一階のフリースペースで、古道具や手織りもののお店が出店するマーケットをやってみたんです。

よっちゃん

すごいんですよ、妻は。行動力というか、段取りが上手で。企画書ってこうやって作るんだなあ、みたいな。

真樹子さん

新しいことしようとしても、社長が乗り気じゃない、という時期があったんですよ。だから、「これこれこういう理由でやりたいんです!」というのを書面で提出して許可をいただきました。

よっちゃん

ぼくが言うより、説得力があるのかもしれないです。親子だと、ちょっと感情的になっちゃう時があったり。

お皿洗いで一目惚れ。

真樹子さん

もともと出会いが、二つ隣の駅の住宅展示場にあるカフェなんですよ。わたしはそこで働いていたんですけど、昼は赤ちゃんカフェで、夜が空いていて。小さい街コンみたいなのがあって。三回目に仕込みで参加したんですよ。

その日の料理を作ってから、「一人空いちゃったから出て」っていわれて。そうしたら、この人がいて。はい、どうぞ。

よっちゃん

アイランドキッチンだったんですけど、彼女がお皿洗いをしてて、その姿を見た時に、新婚生活がすぐに空想できたんですよ。

周りがなくなって、まきちゃんだけがそこにいて、一緒に生活してる感じがすごい湧いて……。一目惚れみたいな感じです。

真樹子さん

この人、今より10キロ以上太ってて。オタクの浪人生みたいで。この浪人生みたいな人は、何やってるんだろうって聞いたんですよ。

よっちゃん

「大家さんです」とは言わなかったですね。あんまり前面に押し出してなかったです。自慢できる場所に建ってる訳でもないですし。「ビルメンテナンス業です」とかよく言ってました(笑)

真樹子さん

浪人しちゃって、ビルの清掃とかしてるんだな、と思ってました。あかぎハイツを見たのは、ずっと後ですね。付き合ってからいろいろあって、彼は一度、家を出て。北松戸で同棲してました。

よっちゃん

ずっとここに住んでるから、一回家を出てみたかった、というのもあるんだけどね。

大家さん、と言えなくて

「大家さんです」と言えないの、分かる気もします。よっちゃん

そうですね。やっぱり、小さい頃から感じていることもあって。小学校でも、普通にいろいろ言われるので。「あかぎハイツ」って名前が付いちゃってるので。

スーパーも「あかぎマート」っていう名前で、社会科見学でみんながうちに来たり。いまだに大家さんというと「いいな」というのがありますよね。

見た目が大きい物件なので、そう思われるのもあるでしょうね。じっさいあるとは思うんですけど、それは、修繕とかのために残しておかなくちゃいけないお金なので。世間とのギャップは、あると思います。

奥さんは、大家さんのイメージありましたか?真樹子さん

わたしも、いずれは何かしなくちゃな、と思っていたんですが、何をしたらいいのか分からなくて。大家さんの仕事は手伝わずに、お料理教室やりたいな、とか考えていました。

ただ、あかぎハイツに住んでいない頃から、「今日はどんな仕事してたの?」なんて聞いていて。だんだん「なんかこれはまずそうだぞ」と思ってました。

ただ日々の、目の前にあることをやって「空室ふえちゃったね」みたいな感じで……。のんびりというか、指をくわえて見ている感じがありました。

この様子だと、将来、大変なことになってしまいそうだと。もっと自分たちで考えてどんどん動いていかないといかんのではないですか……と。感じてはいました。

よっちゃんは、それを聞いてどうでした?よっちゃん

たぶん、正しいこと言ってくれてるので、うれしかったですね。妻から見ると、やることすべての段取りが悪いらしく。すごい怒られました。リノベーションの工程とかも、ずっと言われてます(笑)

ぼくは、「伝える能力」が乏しいので。父親に言っても、いったん保留になっちゃうんですよね。

真樹子さん

わたしは、よっちゃんから「こうしたいんだけど、聞いてくれないんだよね」って又聞きしかしてなくて。だけど、直接話すようになったら、イメージ変わりました。

二人で、新しい大家さん

お父さんも、うれしかったでしょうね。よっちゃん

最近ですね、社長がちょっとずつ認めてくれるようになったのは。今までは、やっぱり大工さんに聞いていたんですが、ぼくに聞くようになりました。リノベーションの実例が出てきたから、少し分かってくれたのかな、と。

真樹子さん

うん。この前、初めてのミーティングというのをやって。あとは、「こういうことをやりたいです」と管理人室の壁に貼るようにしたりとか。「いつまでにやります」とか。

もうたぶん、無理だから、発想を転換しなくちゃいけないんです。わたしは、住んでくれる人が少しでも集まって楽しくなるように。12月に、またマーケットをやりますよ。

よっちゃん

ようやく「大家さんって楽しいんだな」ってちょっと思えるようになりました。これから、もっと勉強しなくちゃいけないですね。

いいですねー。

街コンで出会った年下の旦那が、 大家さんだったら、こんな感じなんですね。

赤城さんとあかぎハイツ、がんばってね。


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