まぁ、なんとものびやかな気持ちになる
麗しい縁側の風景ですねぇ。

引いて見て、空の広さと大きなお庭、
これまた随分ご立派なおうち！とびっくり、
はて、どこの田舎かと思いましたら、
京都なんですよ。

玄関側へ回ってみて、また驚きます。

これは、一般住宅なのですか…？と
戸惑うようなただならぬ風情。
それもそのはず、こちらのおうちは
登録有形文化財、景観重要建造物にも
指定されたというのですから納得…

いや、そこに普通に住めてしまう、って
すごいですね…！？
京都の近代住宅を牽引してきた工務店さんが
昭和初期に手がけたものなのだそう。

玄関の間ひとつをとってみても、
壁や木の風合い、

天井、窓辺やドアの表情、
手仕事の温かみを感じるような
唯一無二の存在感があります。

廊下の収納扉の意匠にも思わず
ほうぅ、と溜息が漏れてしまう。

ふむふむ、こんなにお部屋が！
扉をパタパタ、ここからこう繋がって…と、
目が忙しい間取り図、
じっくり見入ってしまいました。
この部屋はどう使われて、
どんな住まわれ方をしていたのかな、と
想像が膨らみます。

15帖のリビングは、玄関先の和の雰囲気とは
打って変わって今風な面持ち。

大きな窓からたっぷり陽射しが降り注ぎ
優雅な空気が漂います。

ここが庭から見えていた縁側の内側。
なんとも素晴らしい窓辺！
猫みたいにうたた寝してしまう姿が
容易に思い浮かぶ…幸せな陽だまりです。

和室は、それぞれにしっとりと
風情と伝統を感じるつくり、

一方で2階の部屋などは
どこかモダンな落ち着きを感じます。

そんな中で、胸にグッと来たのが
水回りの表情ですよ。
「昭和の暮らし」のモデルそのもののような
木枠の窓、磨りガラス、白いタイル…
たまらない佇まい。
暗くなる頃の橙色の灯りが
またすごく良い雰囲気なんだろうな。
普通に使われている様子を見るに
不便さは感じませんね。

もうひとつの手洗い場もこんな。
水回りはリノベでも優先させたり
変化の大きな場所だけに
昔ながらの姿が、今は貴重な気がします。

大きな傷みや汚損がなければ
できれば残したい風景ですし
状態は良いのでそのまま使えそうです。

大きなお庭の手入れと維持は
なかなかに大変ではと思いますが
きちんと手間暇かけて
大切にされてきた様子が伺えます。

玄関前を彩る麗しい植栽たちも
このまま引き継いでいきたいですね。

ああ、年季の入った木の雨戸も美しい。
立派なお庭と風格ある建物ながら
物干し竿のある風景に何だかほっこり、
普段着の暮らしが垣間見えて嬉しくなります。

古い建物がここまで綺麗な状態で
残されていることと同時に

こんな貴重な建物に、
これくらいのお値段で
住めてしまうんだ…！ということにも
驚きを隠せません。

ゆったりとした自然に囲まれた京都の一角、
というのがまた素敵ですよね…！
かなり貴重で価値ある体験かと。

趣と歴史ある古民家ながらも
そこにあるのは、肩肘張らない
穏やかで静かな暮らし。

現在まだお住まい中とのことで
紹介したお部屋は一部ですが、
内覧は可能とのことで、気になる方は、
ぜひとも足を運んでみてはいかがでしょう。