まずこの雰囲気に思わず息を飲みました。
どんな家が一番好きですか、と聞かれたら、
ものすごーーく迷うのだけれど、
この部屋を見てしまったら、即
「レトロモダンな家」と答える気がします。
ひと昔前の和洋折衷な家が大好物なのですが
ここは、まさに…まさに…！

外観は、わりと大人しめ。
気にも留めず通り過ぎてしまうかもしれない。

でも、そこはかとなく漂う、お屋敷の気配。

塀の内側には、
苔むした立派な前庭も。

ぼんやりと見えた玄関扉は、
網戸が1枚あったのですね。
暑い季節は虫を気にせず
風を通すことができていいですね。
広々した土間に、
いい感じに年季が入った床の色。
そしてすぐ横に見えますのが…

大正ロマンが詰まったような、このお部屋！

元々の窓、天井のデザインや腰壁に加えて
置かれた椅子、テーブル、フロアランプの
チョイスがまた最高なために、
完璧な世界が創り出されている…。
応接間として使われていたのでしょうか。

お客様をもてなすには最上の雰囲気。

廊下を中心にして、
和室と洋室、台所があり、

なるほどやはり、お屋敷風情。

奥の八畳間は、打って変わって純和風。

そして、この惚れ惚れする窓！

濡れ縁の向こうには
裏庭があり

美しい石や緑であつらえられた
小さな和風庭園が楽しめます。

夏の夕暮れの風景が、
すごく似合いそうですよねぇ…。
磨りガラス越しのオレンジ色の灯りが
とてもロマンチック…！

浴衣に下駄、ひぐらしの声、
線香花火のジリジリ鳴る音。
全てをドラマチックにしてくれそう。

独立したお台所を見てみましょう。
白いタイルに、堅実さが伺える、
収納たっぷりの茶色いキッチン台。
青い換気扇。

あっ、なんだろう、この戸棚、
初めて見たのに、懐かしいような、
目頭が熱くなりそうな気持ち…。
上の戸棚には、とっておきのお菓子が
箱に入ってるんだ。

あると嬉しい、お勝手口。
ここから裏庭に出ることもできますよ。

洗面所は台所のようなシンク、
ちょっと不思議だけど、
冬でもすぐお湯が出る給湯機はありがたい。

玉石タイルに、ステンレス浴槽という
昔ながらのお風呂、
水色の窓枠がかわいい。

トイレも、さっぱり小綺麗で
気持ちがいいですね。

そして、階段手前にちらり見える
三畳の和室が…
あ、もう素敵！

小さいのに素敵が詰まってる！
この窓の前に机を置くだけで
気分が上がるし、

1人静かに集中するには
こんな小さな空間が良かったりしますよね。

晴れの日は、柔らかく光を届け
雨の日も、雨音が心地良いBGMになりそう。

踊り場もある階段はゆったりとしてて

手すりのちょっとしたデザインも
ぶら下がるランプも、いちいち良い！

上ってすぐの所に小さな洋室、
奥に和室が二間あります。

洋室は子ども部屋にもちょうど良さそうです。

和室はしっとり落ち着いた雰囲気で

とても大切に住まわれていたのが伺えます。

八畳間には大きな窓があり
心地良い風が吹き抜けていきます。
家族みんなでお布団敷いて寝るもよし、

襖を閉じて二間に仕切れば
来客時にも対応できますね。

床の間も、現代風のアレンジを
さらりと楽しんでみたいところ。

こちらの照明の傘も
バッチリ和風ではなく、
どこか大正レトロな雰囲気。
天井の綺麗な木目と相まって
やっぱり、品があるんですよね。

ゴテゴテの装飾ではなく、シンプルな中に
細やかな美しさと

心がギュッとなるような
懐かしくなるディティールが
あちこち散りばめられていて。

古いのに、むしろ清潔感と品がある。

和の美しさと、洋の美しさが調和し

生み出される、唯一無二の空間。
この良さを、ぜひ次の方にも味わい
受け継いでいただきたい…

下鴨神社、糺（ただす）の森、と
近くには豊かな自然があり

賀茂川と高野川に挟まれ、
人気の鴨川デルタもすぐそば。
ご近所散歩だけでも名所巡りができて、
出町柳駅近くには、昔ながらの商店街や
美味しいお店もたくさん。
永住の地として
選ばれることが多いというのも頷ける、
のどかで豊かな住環境。

こんなおうちに住んだら、
あちこちの優雅さに心も満たされて
所作まで美しくなるんじゃないかしら…
なんて思うのでした。