四角く切り取られたガラスの向こうに、 ゆるんとしたフォルムのバスタブ。 もうこの一枚だけで、気持ちが ぎゅうと掴まれてしまいました。

魅了的なバスルームを見つけたのは、 京都府京都市の「藤森駅」で。 京都と聞くと、私はつい味のある 和風のお家を想像しますが…

こんなにもクールな物件が まさか隠れていたなんて！ 自分の想像力の乏しさを 反省するばかりであります。

階段だって、スタイリッシュ。 コンクリートとブラック、 もう間違いない組み合わせですね。

ぼんやりと空間を照らす光も なくてはならない立役者だ。 どこかミステリアスで、怪しげで。 お部屋への期待をさらに高めてくれる。

間取りはシンプルなワンルーム。 写真は別部屋のものですが、 お部屋が醸し出すキリリとした雰囲気は それはもうたっぷりと伝わると思います。

だって、この一枚だけで…！ 心が震えるほどの かっこよさではありませんか。

打ちっぱなしのコンクリート。 壁だけではなく、天井も床も 見事な統一感でため息が出ちゃう。

スーッと伸びたカウンターは どのように活用しましょうか。 ワークスペースにしてもよし、 本や雑誌を並べてもよし。 セレクトショップみたいに きちんと畳んだ服や小物を ディスプレイしてもすてきだろうな。

ちなみに、ネコちゃんは 残念ながらだめなのですが、 一緒に暮らしたい子がいる方は ご相談もできるそうですよ。 軽やかに宙を舞うインコさんとか、 この空間にお似合いな気がします。

そしてそして、お部屋の中でも ひときわ存在感を放つこちら！ スケスケの中で、キュートな おすまし顔をしているあの子。

わぁ、なんてかわいらしい…！ お部屋のイメージのままならば カクカクがくるかと思いきや、 あえて丸みのあるバスタブ。 ビシッとしたお部屋の雰囲気の中、 どこにも属さずマイペースに まぁるいフォルムを保っています。 いいですね、いいですね。 適度なゆるさや愛らしさを お部屋にプラスしてくれて。

洗面ボウルは、カクカクです。 締めるところは締めてこそ、 バスタブのやわらかさが さらに際立つのですね。

バストイレは別々なので、 トイレはスケスケの外にあります。

お次はこちら、キッチンです。 うんうん、このお部屋なら これくらいシンプルがいい。 スッキリして、スマートで。

つるんとしたIHコンロ、 ブラックのレンジフード、 曲線が美しい蛇口。 チョイスされたものがすべて 「このお部屋なら確かにこれだ！」と しっくりくるから感動します。

おこもり感のあるスペースには、 室内洗濯機置き場がありました。 水回りで使うグッズや タオル類はすべてここに、と ルール決めがしやすそうです。

絵になるなぁと感じるポイントは 実は、まだまだありまして…

ツンとした表情のスイッチとか、

コンクリートにスッと落ちる 窓からのあわい光とか…

バルコニーから見える青空すら、 落ち着いたトーンのお部屋との コントラストによって 美しさが増している気がするのです。

このお部屋で過ごしたら、 どんな暮らしになるのかな。 ハイセンスなお部屋に影響されて、 いつのまにか自分もガラリと 垢抜けたりできるでしょうか。

ラフだけれども どこかおしゃれな服を着て、 コーヒー片手にご近所の緑に ぷらぷら会いに行くのもいい。 「なんか雰囲気変わった？」と 誰かに言ってもらえたら、 私の場合は、きっとお部屋の 力を借りたってことだろうな。

文・くまのなな 東京都在住のフリーライター。1991年生まれ。漫画と水遊びとおもちが好きです。主にツイッターにいます。 @kmn_nana