お洒落なご婦人が 暮らしていたんじゃないかな、と思わせる 70年代に建てられたというこちらのお家。 実はところどころのデザインが凝っていて 家事動線もバッチリ。 当時では最先端のデザインだったのでは ないでしょうか。

間取り図のレトロさもいいですね。 大きなお家を分割し、 二世帯住宅のような構造になっていて 2階部分をメインに貸し出している物件です。 お部屋に納戸、個室もたっぷり。

玄関から木の温もりに包まれます。 腰かける椅子を置いても十分な広さ。

廊下から漂うレトロモダンな雰囲気。 コートフックには 真っ赤なコートや女優帽なんかが 掛かっていたのではないでしょうか。

吹き抜け、圧巻です！ 陽の光が差し込む玄関って 運が上がる気がしませんか？

吹き抜けの上部である2階には 室内窓があって、「おかえりなさい」と 窓から玄関を覗けます。

1階には5帖の納戸があり、 たっぷり収納できますよ。 コートや季節物を収納する ファミリークローゼットに するのはどうでしょう。

2階のメインは 12帖の開放的なリビングダイニング！

まっすぐ走るフローリングの木目が 空間に広がりを感じさせてくれます。

ペアのローソファや木製のロッキングチェア、 和モダンな家具が似合いそう。 しっとりと落ち着いた色にまとめたい。

造作棚も素敵ですね。 スルリと滑らかな素材感、 なんだかホッとします。

見て見て！ キッチン、とっても広い！ L字型の大きなキッチンは 収納が上下に、ずらり。

きっとお料理上手な方が 暮らしていたのでしょうね。 煮物に旬の野菜を使ったお漬物、 季節のお料理が こちらで生まれていたのではないでしょうか。

そしてお料理ができたら このガラス戸を開けて 「取りに来てくださいな」 って呼んでたのかな。 お客様がいるLDKとほんのり繋がるけれど バタバタとする姿は隠す。 そんな昭和のシーンを彷彿とさせます。

キッチンの奥には なんと、洗濯室がありました！

そしてそのままバルコニーに直結です。

この効率的な家事動線、 当時ではかなり画期的だったのでは…？

こちらは独立洗面台。

お気づきでしょうか？ 吊戸棚の穴！ 床屋さんでサッと取り出せる あのタオル棚ですよ！ 棚を開け閉めする手間を省く。 細部まで工夫がされています。

バスルームはパッと目を引く 深いブルーです。 バスタブは小ぶりではありますが 大きな窓があって気持ちが良い空間です。

華やかなタイルの柄に まるで深海のようなブルー。 心がスーッと整えられていく 感じがしますね。

お次は居室を見てみましょう。

リビングから繋がる8帖の洋室。 二面採光で明るく 夫婦の寝室にピッタリです。

扉を開けると またもや納戸がありました。 奥の和室にも繋がっているので、 開け放てば ウォークスルークローゼットになりますね！

足元にもご注目。 学校を思い出すような レトロなパーケットフローリング。 畳とのコントラスト、粋じゃないですか。

レトロなおうちには やっぱり和室は欠かせません。 畳もキレイで背筋が伸びるような空間です。

客間として使うのもいいですね。 座布団やお布団を用意しておけば 気持ちの良いおもてなしができそうです。

床の間と、ゴツゴツ存在感のある木の柱。 モダンな雰囲気だけでなく 和の心も大切にしたい。 そんな考えがあったのではないでしょうか。

忙しい現代の世帯にもマッチする間取りに 細部までこだわったデザイン。 レトロでありながら 新しささえ感じるおうちです。

文・よしだゆき 街散策とタイルをこよなく愛するフリーライター。元住宅情報誌編集者。築35年の中古マンションをフルリノベして暮らす2児の母。