新潟県長岡市。 愛すべき、生まれ育ったこの街。 少し車を走らせれば 雄大な日本海を望めるし 地元の花火大会は涙が出るほど素晴らしい。

「いつまで独りでいるつもり？」って 両親からの質問への答えは出ないけど これだけは言える。 「いつまでも地元にいるつもり」。

だけど独り立ちはしたいなぁと 実家と同じ長岡市にある マンションの一室を買ってしまった。 17帖のリビングなんて 実家のそれより広くて ドキドキしちゃう。

ひとり暮らしなら 三和土はコンパクトでもいいんだな、と 軽いカルチャーショック。 だけど大きなシューズラックは使い放題。 靴を買い足すたびに 「脚は2本でしょ！」って言われる毎日が 少しだけ懐かしい。

広い広いリビングには ずっと憧れていた チーク材の丸いダイニングテーブルセットと 大きなゴムの木を新生活のお供に。

グリーンの壁に囲まれた ステージのように1段上がった床に 真っ白のキッチン、天板は木目。 このキッチンに一目ぼれして ここを私のお城にしようって決めたんだ。

こんなに大きくて素敵な ウォークインクローゼットがある寝室なんて ドラマの中だけだと思ってた。

実家にいるとなぜかいつまで取っておいてしまう 中学ジャージやはじめて自分で買った服。 さすがにここに並べるのはなぁ…と ようやく手放す決意ができたから 今の私のお気に入りだけ 美しくすっきり並べるとしよう。

もひとつ大きな収納、 パントリーまで。 帰るたびにお父さんから渡される お米だけで埋まったりして…なんて想像して 笑いが漏れてしまった。

家のところどころにあしらわれた うすいブルーの壁紙。 実は私の一番好きな色。 トイレにもいてくれましたか。

キッチンとお揃いのクロスの 洗面所も大好きな空間。 ところでこのお部屋、 建具がいちいちかわいいのよね。

ユニットバスって掃除が楽！と 感動しながらも 実家のタイルのお風呂が 時々恋しかったりもする。

人工芝の広い専用庭は 条件外のうれしい誤算。 その内ハンモックとかを置いて フル活用したいなぁと思いつつ 今ははじっこにちょこんと ハーブを植えたプランターがひとつ。 ここも少しずつ わたしの空間にしていこう。

最初は家を買うことに難色を示していたお母さんは 月に2回はやってきて 「いいないいな、お母さんも こんなところに住んでみたい！」と きゃっきゃしながら一緒にお茶をする。

お父さんはまだ拗ねているようで 実家に帰ると毎回 「ローンは払えているのか」って 聞かれてしまうけど。

でも大丈夫、2人に育ててもらった地元で 私はこれからもたくましく生きるよ。 だからいつでも遊びに来てね。 かわいい私のお城にさ。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。10年で8回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。 @hs_ryk