この、大きな窓に惚れました。
窓の外にわっさりとまるで
カーテンのように垂れる蔦、
お主、只者ではないな。
新しくはない、
むしろ、年季の入った物件。
だけど、伸びた蔦ですら、嫌な感じがない、

清々しさすら感じるこの空気、
チルアウトにもってこいな、リラックス感。

間取りは、ごくごくシンプル、
だけど、必要十分。

ほら、玄関までの共用部なんて、
今時もうあまり見かけなくなった
昭和のアパート感。

玄関を開けてすぐにある、台所。
そう、キッチンと呼ぶより台所と呼びたい。
ちょっと前のドラマにも出てきそう。
今の主人公たちはみんな、
随分とおしゃれな部屋に住んじゃってて、
それはそれで見てて楽しいし素敵なんだけど
こういう生活の温度を感じる部屋は
親しみが持てるな…。
カチッてボタン押すと
お湯が出てくる給湯器。

随分とコンパクトなシンク、
コンロも小さいものしか置けないけれど。
それでも、何だか愛せそうな気がするんだ。

玄関ドアノブ上の
このレトロなロックもね、
ガチャっとしっかり仕事してくれる。

ドア上の小さな棚には
地方の可愛い土産物たちを並べたりしたい。
テレビに、電子レンジに、
あと何か電源入れたら
すぐブレーカー落ちちゃうかな。
これとこれをかち合わせたらまずい、って
体で覚えてくんだろな。
このホーローのシェードもいいよね。

台所後ろの結構奥行きのある収納は、
食品やら細々した生活用品、
色んなストックに使えそうだ。

風呂トイレは、正直ちょっと狭い。
懐かしのバランス釜だし。
でもすぐ慣れると思う。
体育座りしてとっぷり浸かり
じんわり体の芯まで温まったら、
そのまま湯船で全部洗い流して。

このインテリアがすごく参考になるし、
部屋の良さをグッと格上げしてくれてる。
低めの家具たちで、窓辺と空白を活かして

重厚な家具は置かず、
押し入れを活用しながら
なるべく物は少なく、
ここにあって気持ちいいものだけ、残そう。

天井はきっと白く塗ってくれたんだな。
それ、正解。
大層なリノベはしてないのに、
部屋の抜け感と明るさに
かなり貢献してくれてる。
ちょっとスピーカーには拘って、
音楽を静かにずっと流していたい。
晴れた日には窓を開け放って。

このレトロ感となごみ感で、
まさかの中目黒。
目黒川までも歩いてすぐ。
そしてこのお家賃。
これからの季節、
目黒川沿いの満開の桜や
人の賑わいを楽しんで

なんだか浮かれた気持ちになっても
この静かな路地を通って

この部屋にたどり着いたら
ストンと心が落ち着いて。
窓辺でぼーっとしてしまいそう。
心地が良すぎて、
もう部屋から出たくなくなるような、
自分がすごく想像できるんだよね。