棟門の扉を開けると モミジがたたずみ、 砂利と敷石が続く奥には あたたかい光が漏れ出る玄関。 はああ、 京都らしい風情のアプローチに 心が洗われるよう…。

「鰻の寝床」と称される 間口が狭く、奥行きが長い京町家。 建築設計事務所による フルリノベーションを 終えたばかりのこちらは、 その間口からは想像できない 広いリビングが待っているんです。

玄関を入ると、そこは約20帖のLDK。 アクセント壁と床の配色が 落ち着いていて素敵です。 アンティークや ヴィンテージスタイルの家具が よく馴染みそうな色合い。

高い天井と スケルトンの階段で ここが京町家とは思えないくらいの 開放感。

つややかに化粧直しされた梁は 京町家の趣を保ちながらも モダンな雰囲気にとてもお似合い。 歴史を経たものと新しいしつらえの 美しいコラボレーションは、 リノベ物件の醍醐味ですよね。

新品で、ワークトップの広いキッチンは それだけでも嬉しくなっちゃうのに、 奥にいい感じの パントリーまであるとは ありがたいこと、この上ない。

こちら実は 旅館業営業も可能とのこと。 場所は京都の清水五条、 たしかに周辺には観光地も多く 交通の便もよくて バケーションレンタルに持ってこいの物件。 けれど、この使い勝手が良さそうな2LDKは ファミリーで住むのにも おすすめしたい。

だってね、このウッドデッキ。

小さいお子さんを 遊ばせておくのに ちょうどよくないですか？ ロディに乗ったちっちゃな子が ぴょんぴょん跳ねまわるのにピッタリ。

しかもですよ、ほら、 シャワーが備え付けられてあるんです。 これは夏にはぜひとも ビニールプールでバシャバシャと、 遊ばなくっちゃあなりませんよ！ （もちろん義務じゃないです）

アプローチはこのように閉じられるので、 外に飛び出しがちな年頃の お子さんがいても、 慌てずにお出かけできますね。

ある程度大きくなれば、 子ども部屋には 4.5帖の洋室がよさそうです。

大きい窓が2面もある 明るいお部屋。

窓の外には肘掛縁が ぐるりと廻っています。 勉強の合間に、 肘をかけて空を見上げれば、 ほっと気分転換ができて とてもはかどりそう。

もうひと部屋は10帖の和室。 天井にはまたもや太い梁があり、 落ち着いた和のたたずまいで 寝室に向いていそう。 押し入れは仕切り棚がなく クローゼット使いもでき、 現代のライフスタイルに合わせた 汎用性の高いつくりです。

壁には長ーい棚板が 備え付けられていて、 飾り棚やローテーブルとして 使うこともできそうです。

サニタリーもアクセント壁で 渋くおしゃれに仕上がっています。 それでいて、 細かい所に使いやすい工夫が。 トイレの奥には 凹みを利用した作り付け棚があり、 とても気が利いている。

洗面室はゆったりとしたスペースで、 鏡が大きいのも嬉しいですね。 木製の洗面台も洒落てます。

そして、このお風呂！ そうなんです、 窓からお庭が見えるんです！ モミジの紅葉を眺めながら 湯船につかれるなんて、 いいなあ、贅沢だなあ。

鴨川や京都国立博物館がほど近く、 スーパーなども通いやすい所にあり、 とても暮らしやすそうな環境です。

憧れの京町家… しっかりと貯めてきた方なら、 手が届くお値段かな。

今はひとり身の方でも、 家族ができるまでは バケーションレンタルとして運営して… というのも、ありだと思いますよ！

文・葱山紫蘇子 劇団維新派→色々→介護業を経験。漫画と建物と書き出し小説が好きな4人の子を持つ大阪のシングルマザー。 @sisokoex