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文豪が暮らした京町家で、陰翳礼讃を味わう。

ガラス戸と障子を通して、
ぼんわり、ひそやかに届く光、
浮かび上がる格子の直線美と
暗がりの静けさに
思わず、声と息を潜めてしまう。

「陰翳礼讃」という言葉を思い浮かべる。
中学校の教科書だったか、
なるほど、と日本の美の表現と奥ゆかしさを
しみじみ感じ、ずっと心に残っている
谷崎潤一郎の随筆。

なので、ここが谷崎潤一郎も
住んでいたことがある京町家、と知り、
びっくり仰天なのであります…!
なんと、生涯40回以上の転居を繰り返す
引っ越し魔だったという谷崎氏。

昭和21年の半年をここで暮らしたとか。
元々、東京の日本橋出身だった彼は
関東大震災を機に関西に移り住み、
その魅力に引き込まれていったよう。
神戸と京都で、18箇所に住んだと
記録があり(羨ましい!)
創作意欲を掻き立てるため、だとか
作品に近い家に住んだ、とか。

この家でも執筆活動を
していたに違いありません。

7DKという悠々としたつくりで
坪庭やゆったりした縁側まであり魅力的。

やはり集中して執筆するなら
一階よりは

二階だろうか…

ここに文机など置いていたのだろうか…
そう考えると、ゾクゾクするような、
この場所で、彼の作品たちを読んで
どれが書かれたのか当ててみたいような
思いに駆られます…!

…ああ、この型板ガラスに木枠の引き戸、
震える素晴らしさ!
一階と二階の長い縁側から

坪庭を楽しむことができます。
ここで味わう小さな四季は格別だろな…。
夏はうちわ片手に蝉の声を聞き
風鈴の音を楽しむ。
秋は赤く色付く葉を眺め
鈴虫の声を楽しむ。
そんな光景が自然と浮かびます。

キュッとせり出したバルコニーは
陽当たりがよく
ハタハタと洗濯物たちをなびかせたい。
時々、一服するスペースにもなりそう。

恐らく、所々リフォームされているのでしょう、
台所などは比較的新しいつくり。

お風呂も窓以外は新しいようで、
床がピカピカなのは嬉しい。

トイレも洋式になっています。
水回りへ、坪庭に面した廊下を通っていくのが
何ともオツであります。

しかし、恐らくあまり手を加えられていない
洗面所は、エンジのタイル、木枠の窓、
玉石の床、というレトロオンパレードに
ググッと心を掴まれてしまうのであります。

何より、ここで日本を代表する文豪が
生活を営んでいた…
その事実に、心が震え、

玄関、畳の間、板の間、縁側…
そこここで彼がどのように
過ごしていたのだろう、と
思いを馳せ、自分を重ねる…という
何にも変えがたい体験。

「暗がり」「翳り」によって
浮かび上がる、密やかな美しさ。
この場所は、もしや
光をほんのり映り込ませるために
畳ではなく板の間にしたのだろうか…
そんな、空間に込められた意味や謎解きを
したくなる、奥ゆかしい家。
日本人ならば、
一度はこんな和の家で暮らしてみたい…

しかも、京都だなんて…!
憧れを濃縮したような、
しっとり、はんなり、
美しい京町家なのでありました。
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