この景色を実際に見たら、 きっとなにも言えなくなる。 べっこう飴みたいな とろりとしたオレンジ色に、 溶けてしまいそうな雲のはかなさ。 あまりの美しさに胸が苦しくなって、 ほろりと泣いてしまうかも。

この景色が見られるのは、 天井高約5ｍのアトリウム空間。 強化ガラスで覆われたそこは、 まるで世界から切り取られたよう。

おだやかで、ちょっと切ない。 どこを見ても外の世界で、 まるで空を泳いでいる気分だ。 誰にも邪魔されずに ひとりでここで過ごしたいな。

時間によって アトリウムの表情は こんなにガラリと変化する。 明るいうちは元気いっぱい、 さわやかなパワーが満ちています。

家の造りが個性的で、 玄関を開けたらすぐに アトリウムがあるのです。 たまらないですね、 「ただいま」のあとのこれ。

さらにはウッドデッキの バルコニーまであるのです！ 目の前はスッと抜けていて、 高い空と豊かな緑が。 いい、いいです、 なにもかも投げ出して ここでゆったり過ごしたい…！

ちなみにウッドデッキの下には、 倉庫がおりこうに隠れています。

ウッドデッキの脇には さりげない階段があり…

階段を下りた先には、 斜面地を利用した お庭兼菜園スペースが！ お花でいっぱいにしてもいいし、 野菜や果物を育てて プチ自給自足生活をするのも 心が豊かになりそうです。

奥にちらりと見えている小屋、 なんとあちらもセットです。 「小屋」と聞くと、私は 素朴な造りを想像しますが…

すごいです、おしゃれです！ こっくりしたオレンジ色に 小窓のグリーンがアクセント。 物置として使うのは もったいない気がするな。 好きなものを詰め込んで、 趣味の部屋としてここに 入り浸るのもありだと思います。

お庭にはいい雰囲気の小道も。 暮らしているうちに、 自分だけしか通れない 道なき道も見つかるかな。

さて、すでにホクホクと 満足感が出てきておりますが、 ご紹介できたのはアトリウムと バルコニー、離れの小屋くらい。 お部屋の詳細、いきましょうか。

間取り図、もう一度どうぞ。 アトリウムがゆったりなので 比較すると少々わかりにくいですが、 リビングダイニングも18.25帖あり 申し分のない広さです！ 和室がひとつに、洋室みっつ。 お部屋の数も頼もしいです。

あぁ、うれしいな。 リビングダイニングからも ウッドデッキやアトリウムが すぐそこだ、ひょいと行ける。 晴れの日はウッドデッキで、 雨の日はアトリウムで 食事するのが習慣になりそう。 雨のしずくに包まれるアトリウム、 たまらなく美しいでしょうね。

こちらは8帖の和室です。 ちなみにここからも アトリウムに出られます！

収納もたっぷりと。 木の質感がやさしげです。

洗面所とバスルームは 1階にありますよ。 タオルもスキンケア用品も どんとこいの引き出したち。

バスタブは直線、直線、 おっとここで曲線！と ついニンマリしてしまう 個性的な形をしています。 あのまぁるいところ、 窓から光が差し込んでいいな。 体が無意識に曲線に 吸い寄せられる気がします。

トイレは1階と2階、 どちらにもありますよ。

もう、どこまで ワクワクさせてくれるのか。 ありますあります、吹き抜けが！

普段はもっと低い天井が、 グンと高いだけで気分が上がる。 こういうときに単純な性格で よかったぜと思うのです。

2階の8.5帖の洋室には、 衣装持ちさんにうれしい ウォークインクローゼットが！ もっともっと収納したい方は、 角に合わせてチェストを ぴたりと置くのもありかな。

はぁ、2階のバルコニーも なんてすてきな眺めでしょう…。 他のお家がぽつぽつと 下にあるからでしょうか、 青空がグッと近く感じます。

2階には、あと6帖と5帖の洋室が。 コンパクトながらも収納は どちらのお部屋にもありますし、

窓だってばっちりです。 こんなに気持ちのいい景色が そばにあったら、きっと のびのび暮らせるだろうな。

場所は福岡県の糟屋郡（かすやぐん）。 バス停から徒歩9分ですが、 生活面を考えると車は必要かな。 都心と比べると利便性には 欠けるかもしれません。 けれど、ここにしかないものがある。

言葉を失ってしまうほど、 涙がほろほろ流れるほど、 美しい世界がすぐそこに。 この景色が見られるのなら それでいいや、もう満足だ。 そう思えるほどの価値が、 この一枚に詰まっていると思うのです。

文・くまのなな 東京都在住のフリーライター。1991年生まれ。漫画と水遊びとおもちが好きです。主にツイッターにいます。 @kmn_nana