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大佛次郎先生が設計し、暮らした、鎌倉の邸宅

以前、物件ファンでご紹介した 大佛次郎先生の茶亭

なんとあの茶亭の向かいに現存する 大佛先生のご自宅が、 継ぎ手を探しています。

日本家屋(しかも茶室付き!)の横に 洋館がついた、 大正〜昭和初期の文化を纏った建物。

何と言っても 大佛先生ご本人が 設計をされたというのですから、 先生の暮らしへの眼差しが詰まった 建築となっています。

(設計に関しては、 部分的に建築家・土浦亀城さんが 関わったと記録が残っているそうです。)

茶亭では客人のおもてなしを、 この自邸では日常生活を、 と使い分けておられたそうです。

さてさて前情報だけでも 目眩がしそうなほど貴重な建築。 表門から順に見ていきましょう。
写真からも現地の 凜とした空気が伝わってくる。
この玄関だけでも じっくり拝見したい風格です。
なんと立派な沓脱石。
玄関を上がると 3畳二間の書生室。

当時の建築で度々見られる 玄関脇に作られた 書生のために充てられた部屋です。

並びには8畳の客間。
さらには小さな茶室があります。 お庭に面しているそう。
隅々にまで美学が詰まっていて 惚れ惚れとします。
両側を広縁に挟まれた ゆったりとした続き間では、 ご両親が生活しておられたのだそう。

見てくださいこの立派な天井… 延々と見ていたい…!

お庭の緑が眩しい。 日差しが室内を優しく包みます。
自然との共存が必要であると ナショナルトラスト運動にも 力を入れていた大佛先生。 その意思が邸宅にも反映されています。
広縁の向こうには台所があり、
並びに女中室があります。 書生室に女中室。 当時の文化を感じられる造り。
台所から外に出ると、 猫ちゃんの足跡が!

愛猫家としても有名だった 大佛先生らしい痕跡。

台所の横には 当時としては珍しい洋風バスルーム。
木の壁に作り付けの鏡、 この雰囲気にぴったりな 照明とガラス窓!

今後活用していくとなると かなり補修が必要そうですが、 できる限りこの雰囲気を 残したいものですね...!

脱衣所もかなり心惹かれます。 この棚や引き戸が 活きるような使い方をしたい。
続いては洋館。 日本家屋の横に くっついた形になっています。
天井高、約3m! 格天井の広々とした書斎。
書庫もあります。
天井までの書架に収まりきらないほど 本が積まれていたのだそう。
そんな洋館にある寝室。
大佛先生はここに 『家一軒建つ』ほどと言われた 特注のベッドを置き 本と猫に埋もれるように 執筆していたのだとか。
このお屋敷、 住居としてだけでなく レストランや宿としての活用も可能だそう。

「大佛先生が執筆した部屋に泊まれる」 なんて考えただけで高揚します。

建築的な面で言うと コンクリートの布基礎がされ、 鎌倉の風土に合わせた 風通しや調湿の工夫もされています。

そのため、築90年近く経っていますが 今後も維持していける状態のようです。

そして小さいですが 敷地内に1台分の駐車場もあります。

継ぎ手が見つからないと なんと解体の可能性もあるそう...。

このお屋敷と 小路を挟んで向かいに建っている茶亭。

2つ一緒に在ることでより一層、 大佛次郎先生が残そうとした鎌倉の暮らしを 体感できるんじゃないかなあと思います。

なんとしても次世代に繋ぎたい場。

こういう建築を見るたびに 財力があれば...!と思ってしまいます。

リアルに検討できる「志」のある方の手に どうか渡りますように。

文・戸田江美

1991年生まれ。デザイナー。おばあちゃんの仕事を継いで荒川区のマンションの大家をしている。落語が好き。@530e

トダビューハイツ 想像建築

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