入った途端、一目惚れだった。

多分、窓に、だと思う。
薄暗い廊下の先の部屋、
光が差し込む窓辺。
多分、と言ったのは、
この部屋がまとう空気が
丸ごと大好きなのは、間違いなくて、
その中で窓の存在感が圧倒的だったから。

ターコイズグリーンの窓枠、
両開きの格子窓に
アンティークな把手と錠、
この窓だけで、大好きが詰まりすぎて
いつまでも眺めていられそう。

しっとり白い壁に
腰板のコントラストが
これまた絶妙で。
はぁ、好き…。

青みがかったの、緑がかったの、
微妙に色味の違うターコイズグリーンに
スッと上へ伸びる梯子。

そしてくるりと向けば、まぁなんてこと！
風景をましかくに切り取る窓。
お見事。
小さな出っ張りに
きれいな小瓶を並べてもいいし
一輪挿しをちょこんとひとつ置いたら
絵画みたいで可愛いかも。

間取りからは想像もできない部屋に
既に興奮が収まらない。

シンプルでキュートなキッチンは
だいぶミニマル。
本格的な料理はちょっと難しいかもだけど

梯子の途中から見てみると
キッチンのこんな愛で方があるのか！
という驚き。
仲良く並んだ、まる、しかく。
ほう、これも計算された形なのだな…！と
関心してしまって
多少の不便は許してしまいそう。

シーリングファンまでついて…！
天井も高い上に、天窓もあるのかな、
差し込む柔らかい光の中で
ロフトにこもる幸せ…

ちょっと悲しいことがあっても
コロコロコロと転がって
あのすみっこでギュッとしばし固まって
コロコロコロと戻って

この風景があれば、
元気になれそうじゃない？
伸びやかさを感じるのは
やはりあの縦長の窓、
たっぷり入る陽射しのおかげかな。

ゆっくりとっぷりと
温かいミルクティでも入れて
大好きな窓辺で部屋を見渡して

外を眺めたら、あら不思議。
京都の外れなのに
ルーバー窓越しに見る空は
どこか異国にいるようで
心のモヤモヤも風に乗って飛んでいきそう。

異国といえば、外観もすごいのだった、
え、ここは…
バリ…？フランスの片田舎…？
と思ってしまうこの雰囲気。
グンと伸びたソテツの木も

絶妙な枯れ感も、いい…

雑草すら嫌な感じがしない、
この不思議に馴染む感じは何だろう。
無造作なようで一貫してる、
志のような、美のような。

リゾートっぽさも感じる廊下を通って

現れるアンティークな玄関も、
素敵すぎるでしょ。
訪ねてきた人は
この鉄の把手をコツンコツンと鳴らしてね。

日常を忘れられる
特別な部屋の
とっておきの窓辺で
のんびりまったり、してってくださいな。