気怠い夏の夜も悪く無い
この物件は現在は募集終了している可能性が高いです。過去物件のアーカイブとしてお楽しみ下さい。
根っからのインドア派。 特に夏の暑い盛りなんて クーラーの効いた部屋で 好きな本と映画に囲まれていたい派。
だけど土いじりしたり、 気温の下がった夕方は 緑豊かな公園までお散歩したり。 手軽に自然を感じるのは好き。
このお家なら、 そんな都会っ子の欲望が叶いそう。
三角屋根に白い壁、 ツートンの扉にまあるいランプ。 心惹かれる愛らしさが揃ってる。
日差しを浴びるキッチンから、 冷やしたさくらんぼとアイスを持って
サンダル引っ掛けウッドデッキへ。
2階から見るとこんな感じ。
段差がついてるので 縁側みたいに足をぶらぶらできるんです。
最近鳴き始めた 蝉の鳴き声が静まりかける夕暮れ。
蚊取り線香に火をつけて 大人の夏休みの時間。
ぺたぺたと裸足で歩くと伝わってくる 無垢材の心地よさ。
窓が大きく天井が高いこの部屋は 仕事場兼リビングに。
すぐウッドデッキへ逃避行しちゃうけど。
なんだか部屋の随所から 家への思い入れが伝わってくるなあ。
と思ったら、なんとR不動産のスタッフさんが 個人で購入してフルリノベーションした物件の模様。
私の大家さんデビューのために購入したものなので、 貸しに出さなくてはいけないのが、 変ですがすこし惜しい気持ち。 本当に楽しい家なので、 そんな楽しみを引き継いてくれる方に 住んでいただけたらうれしいです。
と心のこもったメッセージ。
新調された水回りと、
程よく残されたレトロな味わい。
2階は広々としたひと部屋。 ダブルベッドも余裕で置ける広さです。
サッシや肘掛けが丁寧に残されてる。
収納部分の「上部棚はこれから設置予定」とのこと。
随所から部屋を育てた大家さんの 愛情が見える。
収納に使うにはちょっと惜しい お籠りスペース。 ここにお気に入りの本たちと 濃いめのコーヒーを持ち込む。
夜もクーラーをかけないと過ごせないほどの 気怠い熱帯夜。
何度も読んだ小説だけど ふと読み返してたら発見があった。
胸いっぱいになって窓を見ると 気づけば空が白んでた。
そんな湿度の高い夜を 過ごしたくなるお家です。
文・戸田江美
1991年生まれ。デザイナー。おばあちゃんの仕事を継いで荒川区のマンションの大家をしている。落語が好き。@530e