三方を山に囲まれた地形から、
冬は寒く夏は蒸し暑い京都。
盆地特有の気候を快適に過ごすため、
京町家にはさまざまな
工夫がなされてきました。

そんな先人たちの知恵を受け継ぎつつ、
美しくリノベーションされた住まいが
下鴨神社の近くにあります。

大正ロマンの情緒を感じる
レトロな木の扉を開けると、

ひろびろとした玄関土間、
その奥にトオリニワ、そしてお庭。
扉を開け放てば、玄関から庭まで
風がすーっと駆け抜けます。

つやつやと光るタイルの床、
葦の天井板など
涼を感じる演出もさることながら、
ぜひ注目してほしいのは右側の壁。

上は高窓、中段は棚、下は地窓で
構成されているのですが、
足元の地窓の外に

小さな庭があり、
なんと小川が流れているのです。

外から見るとこのように。

しかもこの小川、
裏手の庭に設けた池に
注いでいるんですって！

庭には東屋まであって、
いやはやなんとも贅沢。

東屋に腰かけて
池を眺めながら
キリリと冷えたビールで晩酌、
あるいは冷たい麦茶をお供に
読書にふける…。
どっちも最高でしょうね。

建物と小川、庭の配置はこのように。

LDKはコンパクトですが、
大きな窓越しの庭と東屋、
地窓越しの小川が視界に
奥行きを与えてくれ
広がりを感じながら過ごせそう。

網代天井もまた
涼しさの演出に一役買っていて、

どうですか、
この涼しげで開放的な空間！

洗面所にも大きめの窓があり、
窓をあければやはり
風の恩恵を受けることができます。

続いて階段を使って
2階に上がりますと…

窓際に造作棚と机を設けた
素敵な書斎が待ち受けていました。
仕事がめっちゃ捗りそうです。

4.5帖の洋室は寝室に。

窓の外に見えるのは、
ご近所の松でしょうか。
朝、目を覚ますと
風流な借景が
目に飛び込んでくるのですから
なんともラッキーです。

ただ生活しているだけで
猛暑から逃れられそうな
こちらのお家、近くには
境内に清らかな森が広がる下鴨神社や

高野川のせせらぎの中につくられた
「亀の飛び石」などがあり、
周辺にも涼を感じるスポットが充実。

この環境、そしてこのお家で暮せば
子どもの頃のように
夏の到来を心待ちにし、
夏をめいっぱい満喫できる日々が
ふたたびやってくるかもしれない。
そんな期待をしてしまいます。