夕暮れ時の帰り道、 窓から見える家のあかりに ほっと心がほどけたというような経験、 ある方も多いのではないでしょうか。 今回はあかりにこだわって リノベーションされたお家のご紹介です。

白い塗り壁と木目の取り合わせが かわいらしい外観。 1階部分にも庇を出すことで、 端正なファサードとなっています。 軒下には自転車なども 停められそうですね。

玄関土間はアプローチから続く モルタルの三和土で 仕上げられています。 壁付の全身鏡はお出かけ前の 身だしなみチェックにも 重宝しそうです。 そして上がり框に置かれた こちらのフロアランプは デンマークの老舗照明ブランド、 レ・クリント社のもの。

ポリエチレン樹脂のシートを 織り上げたシェードは、 どこか行灯のような風合いも感じられ、 家の雰囲気にもマッチしています。 タイマーで帰宅時間に合わせて あかりを灯せば、あたたかな雰囲気で お出迎えしてくれそうです。

LDKは木材をふんだんに使った空間。 少しずつ色味の異なる木の表情が、 空間に深みを与えています。

お庭には縁側のようなウッドデッキも 設けられているので、 気候がいい時期は夕涼みなども いかがでしょうか。

そしてそのお庭が眺められる位置には 造り付けのソファが。 階段側に収納棚を設けることで おこもり感のあるヌックのような 空間になっていますね。

ソファの脇に置かれた テーブルランプはヤコブソンランプ。 こちらも北欧のデザイナーズ照明の 名作のひとつで、 木目を透かしたデザインは、 うっとりするような美しさです。

ソファの正面にはテレビ台も 組み込まれた壁面収納が 設けられています。 向かって左側はコンセント付の可動棚、 右側は扉付きとなっているので、 家電からごちゃつきがちな日用品まで しまっておける頼もしい収納です。

天井面を照らす間接照明、 床全体を照らすダウンライト、 ソファ周辺をスポットで照らす テーブルランプが、1つの空間に 明るさの濃淡を作り出しています。 そういった室内の陰影が、 居心地の良さにも つながっているのですね。

キッチンは壁面収納のお隣に。 木目調の収納扉が しっかりとお部屋になじみつつ、 白いタイルが良いアクセントにも なっています。

キッチン以外の水回りも 1階にまとまっています。 洗面脱衣室は丸みを帯びたボウルと 幾何学的なタイルがかわいらしい。 ハイサイドライトから溢れる自然光も うれしいですね。 水回り空間も含めてお部屋と リンクした統一感のある デザインです。

さて、リビングの階段を上って2階へ。

2階にはお部屋が2つ。 8.1帖のこちらのお部屋は 寝室にちょうどよさそうな空間です。

壁の中ほどの高さのブラケット照明が、 重心の低い落ち着いた雰囲気を 創り出しています。 やわらかいあかりのもとで ゆったりと過ごせば、 今夜もよい夢が見られそうです。

バルコニーに植物などを置けば、 朝から気持ちよく目覚められる ベッドルームになりそうですね。

もう一つのお部屋はコーナーに デスクが造作されています。 子ども部屋や書斎などにも ぴったりなお部屋です。

まるで「おかえり」と 手招きをしているかのような あたたかなあかりのこぼれる家。 ちょっと疲れた日も、 うれしいことがあった日も、 きっと優しく迎え入れてくれる ことでしょう。

文・佐藤シュン 浜松で設計事務所をやりながら、黒猫と暮らしています。