建物が持つ良さを残しつつ、
性能や価値を向上させるリノベーション。
現代の暮らしに合わせてアップデートした
住みやすさはもちろんのこと、
細部までこだわり抜かれたデザインが魅力。

はい、私も大好きです、リノベ物件。
このたび「これぞリノベ！」な
プロジェクトが始まったので、
ぜひご紹介させてください。

舞台は、京都の一乗寺にある
こちらのマンション。
余談ですが、一乗寺といえば
ラーメン激戦区。
ラーメン街道までは歩いて
15分ちょっとです。

物件好きはラーメンも好きという説、
ありません？

間取りを見ると…そうきたか〜！
普通のマンションでは
なかなか目にすることのない造りです。
だって玄関らしきものが3つもあって、
その下に「出入り口は3ヶ所あります」。

そう、こちらのお部屋は
かつてのワンルームを3つ繋げた
リノベ物件。
築40年のワンルーム専用マンションに
空き部屋が出るごとに順次改修する
プロジェクトの第一号だそうです。

メインの居室、18帖のスペースは
白い壁に無垢の床材がお似合いの
ナチュラルな空間。

ドアを閉めるとこんな感じ。
立派な梁型が2つ残っていますが、
たぶん元は梁型の下に壁があったのを
ぶち抜いたのではないかしら。

このあと一番奥のスペースの手前に
可動間仕切りが設置され、
12帖のLDKと6帖の洋室に
区切られるそうです。

ほら、窓も3部屋分。
もともとは細長いワンルームの奥に
それぞれ窓がある、という
つくりだったのでしょうね。
開放的に生まれ変わった空間に
明るい光をいっぱい取り込んでくれます。

窓の外には比叡山がちらり。
京都のお部屋らしさも忘れません。

こちらはキッチン。
シンプルかつミニマルだけど、
ちゃんと可愛い。
仲良く3つ並んだまあるい電球や
ましかくのレンジフード、
キッチンをぐるりと囲う無垢の笠木に
デザインした方のこだわりを感じます。

引きのアングルもどうぞ。
うーん、やっぱり良い……。
無垢材と白の柔らかな空間に
ぽわっと並んで浮かぶような
3つの光が愛らしい。

キッチン横から
サニタリースペースへ入ると、
わっ！ と声が出ちゃいました。
LDKとは一線を画すデザインと色遣い。
緑と白のコントラストに一目惚れです。

ゆとりある空間の壁いっぱいに
カウンターが設置されているので、
ワークスペースとしても使えそう。
ずらーっと本を並べるのもいいな。

でも、あくまでもサニタリーですから、
振り返ると洗濯機置き場がありました。
カウンターは洗濯物を畳むときにも
活躍してくれそうですね。

お隣は洗面台。
キッチンとお揃いの電球と
丸みを帯びた四角いミラーが
ただシンプルなだけじゃないよと
静かに主張しているようで、
また心を打たれます。

お風呂は、設置したばかりの新品、
という感じ。ピッカピカでうれしいな。
思いのほか広々した浴槽で
ゆったりお湯に浸かれますね。

トイレはもちろん個室だけれど
扉の外とリンクしたデザイン。
これくらいシンプルでいいんです。
おかげで緑がよく映えてる。

基本的にパキッとした空間ですが
LDKの世界観ともリンクしていて、
木の温かみをさりげなく、上手に
取り入れてくれています。

緑の床から一段降りると
そこは土間スペース。

ひ、ひろ〜い！
賃貸マンションで
この広さの土間ってかなり珍しいのでは？

ちょっとした作業台を置いて
趣味のスペースにしたり、
棚にお気に入りの靴や洋服を並べて
ショップ風な空間にするのもいいですね。

ヴィンテージのラグも似合いそうだし、
お客さんが来たときは
折りたたみのテーブルと椅子を置けば
室内でもキャンプ気分。

どんな使い方をするかは、住む人次第。

間取り図のとおり
出入り口は3つありまして、
こちらの土間に2つと、
サニタリーのカウンター横に1つ。

どこを玄関にしてもいいですよ。
今日はこのドアから入ってみようかなって
しばらくは楽しめそう。

大胆な改修ですが、
コンパクトな3つのワンルームが
洗練された1LDK＋土間に大変身。
これぞリノベーション！

プロジェクトは今後も続くようなので、
次はどんなお部屋ができるんだろうと
あれこれ想像するのも楽しみのひとつ。
まず第一号となったこちらで
モデルケースとなるような
オリジナリティにあふれた空間づくり、
始めてみませんか？