ふわりと優しく差し込む光に 足触りがよさそうな無垢の床。 穏やかな気持ちで暮らせそうだと 一目で想像できるお家の リノベーションを手掛けたのは なんとアメリカの大工さん。

日本滞在中に このお家のオーナーである 日本人アーティストの方と共に 内外装を手がけたそう。 爽やかなライトブルーの外壁に なんとなく アメリカの空気を感じるような。

1階はLDK、 2階に個室が2部屋。 住み開き的な物販店舗や 事務所としての利用も相談可能。 ただし用途地域の制限上、 住居兼用に限られます。

玄関を入ってすぐに LDKが広がるつくりなので たとえば玄関側の半分を 日用雑貨のセレクトショップにしてみたり。

大小さまざまなかごや台所用品、 文房具なんかが 少しずつ、センス良く並んでいるのが 似合いそうなお部屋じゃないですか？

お仕事と暮らしは別物だから このお家は生活の場、とするのだって もちろんOK。

少し奥まった場所にある 家具のように空間に溶け込むキッチンとか

腰壁があしらわれた 階段下のスペースとか。 きっとここで過ごす時間が お気に入りになるだろうな、って 思えるスポットが 点在しているのが幸せ。

キッチンの奥には お勝手口もありますよ。 デッキがついていて 活用しやすいつくりです。

柱や天井の木部が お部屋のアクセントに。 壁や天井は塗装仕上げだそうですよ。

2階は、写真右奥、 階段を上がりきったところに 少しのスペースと押入れがある ちょっと変わった間取り。

残された型板ガラスや 元和室を感じさせる要素に きっとアメリカから来た大工さんは 日本のディテールを 愛している方なんだろうなぁと 想像してしまいます。

個人的には こちらの南東側の洋室が とても好きで。 床に柵の影が落ちる様子や 窓の外の景色。

ほら、線路の向こうに海です！ お隣の屋根のほど近さとか 行き来する電車とか その向こうにも広がる街、 そして神戸はやっぱり海。 この地域の要素を凝縮したような 素朴だけど濃密な眺めは それだけで お家を選ぶ理由になる気がします。

とは言え 電車の通過時には 当然多少の騒音があるとのことで そのあたりの許容レベルは イメージとのギャップをなくすためにも 確認した方がいいのかも。

北西側の洋室は4.5帖。 朝日が差し込むお部屋より 薄暗いお部屋でぐっすり寝たい、 という方は こちらを寝室にするのがおすすめです。

タイル張りの浴室に銀色の浴槽。 レトロ好きの方には 間違いなく刺さる組み合わせ。

洗面台は目を引くスタイリッシュさで ちょっと意外な雰囲気です。 鏡は珍しいデザインで 「あなたもしかしてアメリカから来た？」 って、聞きたくなっちゃう。

どこで暮らす、どなたが作ったか、 というのは そんなに気にすることでは ないと分かってはいるんです。 だけど、こんな風に 落ち着く和のディテールを 絶妙な分量で残しながら 心地よいお部屋を作ってくださったのが 海外の方、というのが なんだか妙にうれしくって。

きっとこのお家も 長い時間を過ごしてきた中で そんな日が来たことに驚いただろうな。

そんな風に思いを馳せながら 無垢床の上を裸足で歩いて 海でも眺めて過ごすとしますか。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。16年で9回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。 @hs_ryk