経験も資金も予定も全くないのに 居抜きの店舗住宅が大好きです。 だってだって、自分好みにすべく あれこれ考えるのって、とっても 楽しいんですもの。

1階が土間になっている、2DK。 職住一体が叶う間取り。 少々、寝坊しても大丈夫なのが うれしいところ。

いいですね、この雰囲気。 ネイビーの壁にブルートーンの モザイクタイル。 以前は喫茶店だったとのこと。 ほどよくレトロ、ほどよくモダン。

藍色がアクセントカラーなんですね。 入口の壁にも使われています。 テラコッタ風の床と柱の濃い茶色との 相性が抜群です。

カウンターの仕切りは 型板ガラスを再利用したのかな。 手間がかかっていて、かつおしゃれ。 シンプルなイスもいい。

2階へ上がる階段は蹴込みのない スケルトンで、軽やか。 丸みを帯びて、大きさにバリエーションが ある踏板も、ユニークでセンスがいい。

窓のかわりに、出入口のガラス戸で 光を取り込みます。 お店を閉めるときは カーテンを引くんですね。 ああ、なんかそのギミック、 昔のお店屋さんでよく見かけました。

カフェにしたなら、 おいしいコーヒーと 野菜がたっぷりのサンドウィッチが でてきそう。 土間なので、オフィス使いもできますね。 アトリエにしても、大丈夫。 お店は開かず、リビングにして 独り占めというのも魅力的です。

なんせ、流しはプロ仕様。 営業許可も、もちろん出せますよ。 冷蔵庫などは残置物になります。

モザイクタイルがかわいい厨房に 胸がキュンとしますね。

トイレは階段の前に。

洗浄便座付きです。 壁紙の色は、店内とおそろいで しっかりと、かわいらしい設えです。

愛らしい要素がいっぱいの 1階でした。 お次は2階へ。

上がってすぐのところには キッチンと浴室があり、 水回りが集められています。 トップライトが光を届けてくれるので、 明るい印象です。

道路に面した方の7.5帖のお部屋は 吹き抜けになっており、 歳月を経た頼もしい梁が 見ごたえあります。

押入れの板戸も味わい深い。 フローリングの床と相まって 木のぬくもりが大いに感じられます。

キッチン側は、障子戸とガラス戸で 仕切れるようになっていて 真ん中のお部屋にも、陽の光が届きます。

キッチン側から見ると、こんな風。 回遊性があるんですね。おもしろい。

反対側には6帖のお部屋。 と、その前に…。

こちらのDK、屋根裏収納もあるんです。

はしごを使って入れられるものは、 どうぞご活用くださいね。

6帖のお部屋は天窓付き。 斜め天井も、おしゃれです。

部屋の奥にはこんなスペースが。

洗濯機はこちらに設置するのかな。 詳しくは現地でご確認くださいね。

それにしても、木材がたっぷりと 使われていますね。

板間だけど、昭和のレトロ感が 大いに感じられる室内です。

へえ、外観はくすみグリーンなんだ！ なんともいえないかわいらしさと 味がある。

京都は左京区の鹿ヶ谷とおり沿いにある こちら。 市バス浄土寺停留所から徒歩5分。 すぐ裏には哲学の道。 個性派書店のホホホ座浄土寺店も 歩いてすぐ。 ひと味違うユニークなお店が集まる 人気エリアです。

地図で確認したところ、 周りは静かそうな住宅街。 そこに、ぽっと現れる レトロなたたずまいの建物。 通りに面していて見つけやすいのに、 扉を開けると 隠れ家を見つけたような気持ちになる、 不思議な店舗付き一軒家です。

文・葱山紫蘇子 大阪で娘3人息子1人と暮らす独り身。元劇団維新派役者竹山らいち、元ミニシアター従業員、元介護職。建物と書き出し小説と漫画と毛布のヘリが大好き。 Lit.Link