神社や寺院が数多く残る、 千葉県松戸市の北小金。 北小金には「本土寺（ほんどじ）」 という有名なお寺があり、 別名「紫陽花寺」と呼ばれています。 その名のとおり、梅雨の時期には 色とりどりのあじさいが境内を彩り、 参拝者の目や心を楽しませています。

そんな本土寺につながる 参道の途中にあるのが、 石井建設さんという工務店。 今回は、そこの社長さんと ご友人の設計士さんから 「アパートが空いているから、 地域を良くするために使いたい」と ご相談があったのだそうですよ。

その名も「ヒラガブロック」。 石井建設さんの敷地内に 建つアパートで、1階が作業場、 2階が住居スペースになっています。

社長さんのご理解もあり、 DIY可能、アトリエOK！　の なんとも自由な住居として 新しい入居者さんを募集中。 自分の色にどう染めるか、 ぜひ想像しながらご覧くださいな。

お部屋の家賃は3万8000円。 管理費の3000円を入れても 4万1000円なので、たとえば ご自宅を別に確保しつつ ここは作業場として活用する…… というのもイメージがつきやすそう。

間取りはシンプルな2DK。 玄関を開けると左側にキッチン、 右側にトイレとバスルーム。 奥に進むと洋室がふたつあります。

おお、いいですねぇ。 ほんのりレトロでホッとする。 床やクロスはきれいなので、 手を加えずともひとまずは このまま住めそうな印象です。

窓に囲まれたキッチンには 光がやわらかく差し込み、 日中は照明を付けなくても 問題なく過ごせるんじゃないかな。

窓を開けると、すぐそこに みずみずしいグリーンが。 ガラスにじんわり透ける緑色も 水彩画みたいですてきだな。

あ！　やったぁ、昭和型板ガラス。 今後また年月を重ねても、 このガラスは変わらずにここで 暮らしを見守っていてほしい。

いちばん先にDIYするなら、 私ならキッチンから始めるかな？ 扉にリメイクシートを貼るだけでも、 お部屋全体のイメージが ガラリと変わりそうではないですか。

もしくは、トイレのクロスや 床を変身させてみるのもいいな。 あえて懐かしい柄のシートを敷いて、 レトロキュートにお部屋全体を まとめるのもありだと思います。

お、お風呂の窓もかわいいぞ。 ちなみにDIYに関しては、事前に オーナーさまの了承を得ることで 原状回復義務がなしになります。 元に戻すのって、それだけで 労力や費用がかかりますからね。 そのままでいいのはありがたいや。

おや、洗濯機置き場は 室内ではなく外にあるのかな。 使っていないときはカバーをして、 雨風からしっかりと守りましょ。

バルコニーはこんな感じ。 洗濯物を干すだけなら 特に問題なさそうな広さです。

続き間の洋室は空間を 分けて使ってもいいですし、

扉を開けたままにして、 広いお部屋として使うのもいい。

暮らしに合わせて、柔軟にね。 お部屋を分けないのであれば、 いっそのこと扉を取り払って のびのびと使うのもありかも。

壁一面の収納もありがたいな。 奥行きたっぷりの押し入れに、 荷物をどんどこ入れてしまおう。

下に住んでいる方がいないので、 多少の音や振動が出る作業も 受け入れてもらえるかもしれません。 物件の掲載元の不動産屋さんは、 「木工などのアトリエとしてもいいかも」と ご提案してくれていましたよ。

アパート全体をアトリエOKの 賃貸物件として貸し出すのなら、 入居者さん同士であれこれと クリエイティブな会話もできるかな。 アパートの中での出会いが 新しい仕事や創作活動に つながったらハッピーですよね。

外には屋根付きの駐輪場もあり、 月額7700円はかかりますが 駐車場もご用意があるそうです。 さらにはバイクも、ご希望の方は 置けるかご相談してOKとのこと！ アトリエとして活用するなら、 たくさんの材料を車やバイクで 運び込むこともありそうですしね。

なにより「DIY可・アトリエOK」と 発信してくれていること自体が、 創作活動をする人たちの背中を グンと押してくれている気がする。 自分の作品が世に出たら、私なら アパートの社長さんや設計士さんに ウキウキと報告しに行くかもしれません。

文・くまのなな 東京都在住のフリーライター。散歩中におうちの外観をつい見てしまう。最近はInstagramかThreadsによくいます。 @kmn_nana