「パティオ」とは、 日本で言う“中庭”のこと。 夏期には摂氏40度を超える スペイン南部の アンダルシア地方で 生まれた言葉だそうです。

噴水や井戸、鮮やかな花々で 飾られたオープンスペースで、 スペインの人たちはそこで ちょっと立ち止まり涼んだり、 井戸端会議に花を咲かせるのですって。

そんな魅力のあるパティオを隠した マンションが、兵庫県の芦屋市に。 がっしりした石貼りの壁面に、 もりもりと元気に生い茂る木々。 中に入る前からオーラたっぷりです。

マンションの敷地内には クスノキなどの大木が 数多く植えられていて、

あちこちでいい感じの 日陰を作ってくれています。 木漏れ日もきれいでしょうね。

エントランスホールの優雅さは、 まるでホテルに迷い込んだよう。

非日常感を演出する スパニッシュスタイルで、 毎日が旅行気分になりそうだ。 ファッションも気づけばゆるく、 リゾート風になったりしてね。

共有スペースにある談話室も、 どこかアンティーク風ですてき。 窓の向こうには、小さなパティオ。

ここが日本だなんて不思議だなぁ。 「スペイン旅行中の写真だよ」と 言われたら、たぶん信じてしまう。

スペインの人たちが 自然とパティオに集まるように、 日本でもここが住民さんの 交流の場になるのかな。 私だったら、どう使うかなぁ。 みんなでワイワイもいいけれど、 リモートワークの癒しスポットとして ひとりで過ごすかもしれないな。

ベンチが置かれた もうひとつのパティオからは、 マンション全体を見渡せます。 暑くも寒くもない時期は ここでサクッとランチもいいですね。

オレンジ色の瓦屋根が、 澄んだ青空によく映える。

共有部のお掃除も 定期的にしているんだろうな。 建物の美しさのみならず、 手が行き届いた清潔さも魅力だ。

まだ室内を見ていないのに、 なんだか気持ちが満たされつつある。 いやいや、お部屋だって共有部に 負けず劣らず魅力的なのですから……

そろそろね、見ていきましょう。 間取り図で気になるのは、 やっぱり「専用庭」の文字！ 共有部にパティオがあるのに、 お部屋にもお庭があるの？ そんなのワクワクしちゃうじゃない。

約13帖のリビングから楽しめる、 みずみずしいグリーンたち。 窓からお庭に出て 視界に飛び込んできたものは、

ゆったりとした広い……森？

木登りが楽しめそうな立派な木に 小さな竹林など、お庭というより “小規模な森”がそこにはありました。

ここまで緑あふれるお部屋が、 駅から徒歩9分の場所にあるなんて。 暮らしやすさと自然の豊かさの いいとこ取りではないですか。

庇（ひさし）の下にも じゅうぶんなスペースがありますね。 お庭をお花でいっぱいにして、 ここに置いた椅子に腰かけて ゆったり眺めるのもいいなぁ。

専用庭は、もう一箇所にも。 洋室から出入りが可能です。

先ほどのお庭よりコンパクトですが、 こちらもほどよい広さがあります。 お花を育てるところ、 野菜や果物を育てるところ、 種類によってわけるのもいいかな。

洋室は全部でみっつ。 約5帖の洋室がふたつと、 約3.5帖の洋室がひとつです。 こぢんまりしたお部屋のほうを 衣装部屋として使うのもよさそう。

物件の前には線路があるのですが、 電車の音が気にならないよう このようにバッチリ二重窓です。 とはいえ生活の中で多少の音は 聞こえてくるかと思いますので、 そこまで気にならないよ！ という方と ぜひぜひ出会ってくれたらな、と。

L字型のキッチンからも、 お庭を眺めることができますよ。 収納も多めで使いやすそう。

洗面所はグレーでシック。 ちなみに室内は2024年2月に リフォーム完成済みなので、 水回りもピカピカできれいです。

お風呂は穏やかなブラウンで ホッと落ち着ける空間だし、

トイレもシンプルで清潔感あり。 暮らしに不便はなさそうです。

なにより、家に帰ってくるたびに パティオが出迎えてくれるのが たまらなくうれしいし、しあわせだ。 このパティオを通り過ぎるたびに、 心の中をスペインの風が 心地よく吹き抜けていきそうです。

文・くまのなな 東京都在住のフリーライター。散歩中におうちの外観をつい見てしまう。最近はInstagramかThreadsによくいます。 @kmn_nana