マイナスイオンが満ちていそうな
清々しい緑の先、

美しい木漏れ日の中、
堂々たる佇まいの木造の建物…！
蝉の声が響き渡るような暑い季節でも
汗がスッと引いていきそうな、涼やかさ。
ただじっと佇んでいるだけで
心が洗われていくような気すらします。

京都大学の東に位置する、吉田山。

別名、神楽岡の中腹、東側一体にある

「茂庵（もあん）庭園」。
数寄者（茶の人）であった谷川茂次郎氏が
大正時代に建築し、

国登録有形文化財にも指定されました。
母屋であるこの「茂庵」の他に、

「清閑程」と「田舎席」という茶室が
二棟あり、それら全てがこの度、
貸しスペースとして利用可能となりました。

素晴らしい環境の中の
味わい深い建物たち、
順に紹介して参りますね。

まず、茂庵の引き戸を開けまして、

二階へと上がっていくと…

そこに広がる景色に、思わず息を飲みます。

360度緑を臨む木枠の窓がぐるり、の様子は
圧巻、としか…！

全ての席から、外の景色を楽しむことができ、
室内なのに、思わず深呼吸してしまう。

いつまででも座っていたくなるなぁ…。
親しい友人や大切な人と、
ゆっくり語らいたいような、
けれど、沈黙もまた良し、
そんな特別な場所。

梁や建具の立派さはもちろん、

照明一つをとっても、
その麗しさに目を奪われます。

大正時代から残っているんだ…と思うと
ますます愛おしく感じます。

こんな場所で、どんなことができるかしら。
期間限定、曜日限定のカフェやレストラン、

お茶の教室や

お花や書道の教室。

床を使って体操なんかもできそうだし
結婚や何かのお祝いでの
パーティーも素敵でしょうね。

一階にキッチンがあり、
左にはレトロなままの作業台、
右には冷蔵庫などがビルトインした
業務用作業台があります。

キッチンの手前には

待合室のようにも使える土間スペース。

お手洗いは、建物の外にあります。

外だけれど、さっぱり小綺麗にされており
気持ちよく使えます。

さて、森の小径を抜けて、
先にある清閑亭へと向かいましょう。

木々の間にひっそり佇むこちらは

炉が一ヶ所ある茶室です。

先程の茂庵とはまた異なる趣ながら、

ぐるり緑に囲まれた和室は、
これまた素晴らしい癒しの空間…。

障子を閉めると柔らかな陽が差し込み、

開けると瑞々しい緑が楽しめます。

力強くうねる丸太の梁が交差した天井も
思わず目を見張ってしまう見事なつくり。

床の間の緩やかなカーブや

窓辺の意匠などには
モダンさも感じられます。
リノベしたのかな、と思いきや、
大正時代に開かれていた
茶会の様子の写真を見ると
変わらない内装でした。

和室横に水場があり、

そこから地下室へと下る階段があるのですが

なんと、ヨーロッパの香り漂う
白と青のタイル張り！

純和風な茶室とのギャップが不思議ながらも
物置としてだけ使うには
もったいないようにも思ってしまう
レトロかわいい空間になってます。

玄関から廊下を右に行った先に

トイレがあります。
ホッとする和の内装は
ついつい長居してしまいそう。

清閑亭、という名前も頷ける
静けさに満ちた茶室。

喧騒から離れて、
心静まる贅沢な時間を過ごせそうです。

もう既にお腹いっぱいなんですが、
まだもう一棟…、

これまた違う風情を楽しめる
「田舎亭」です。

こちらは炉が二ヶ所、
そしてグンとせり出すのはウッドデッキ？

三室に仕切ることもできる和室、

家庭的なキッチンに

トイレも備わった茶室です。

本格的な茶の時間を楽しめそうな
森を臨む和室。

そして、障子の向こうのウッドデッキ、
気になりますよね…！？

こ、これは…！！
なんという絶景…！
ウッドデッキというより、
もはや、森の中の舞台のよう。

もみじが紅く色付く季節もまた
素晴らしい風景が目を楽しませてくれそうです。

こんな中で行うヨガやピラティスなど、
心身共に、爽快でしょうね…！

木々の葉音や、鳥のさえずり…

思う存分、豊かな自然を味わい楽しむために
つくられたような、この三棟。

売買や賃貸の物件なら、
なかなか手が出ないでしょうが、

貸しスペースとなると、
グッと身近になりますよね。

仕出しを頼むこともでき、
出張料理人にキッチンを使ってもらい、
会食や宴会などの利用も可能、
また、席のレイアウトや舞台の準備なども
希望に応じて手配が可能とのこと。

仲間内でのイベントや発表会、
ささやかな節目のお祝い、
鮮やかな景色と共にきっと
忘れられない特別な時間になることと思います。

何より、茶の湯のための
「市中の山居」として

大規模な茶会が開かれたり
人々に愛され使われてきた歴史、
大正時代から長い時を経て、

木々に囲まれた環境にあっても
朽ちることなく、

こうして美しいまま建物が残っていること。
それだけでも奇跡のように思えます。

人々に使われてこそ、建物は生きる。
そんなことも思わせてくれる歴史的建造物で、
是非とも、唯一無二の時間を
紡いでいってほしいなと願うのでした。

貸しスペースとしての
詳しい料金体制や収容人数などに関しては
掲載元の八清さんのサイトを
是非ご覧になってみてくださいね。