見事な細工の飾り棚に、 ハッと目を引くグリーンの壁。 どこか異国の雰囲気を感じる リノベーションルームを、 風光明媚な京都・嵐山で 見つけました。

いいですね、どっしりとした 赤茶色のレンガタイル。 立派なヴィンテージマンションだ。

建物が造られたのは1979年。 ３階建て、全部で３７戸です。 ご紹介するのは2階のお部屋。

太陽のスポットライトを浴びる木が かわいらしいですね。 それでは上へとまいりましょう。

今回のお部屋はですね、 ご夫婦とネコちゃんのために リノベーションされたのですって。

リノベ完了は2016年。 とても丁寧に住まわれていたので、 お手入れはほぼ不要だそうですよ。

変わらずペットちゃんOKなので、 ネコちゃんと暮らせるお部屋を 実は探しているんです、という方と ぜひ巡り会えたら……と願います。

間取りはメゾネットタイプの2LDK。 下の階には広めのベッドルームが、 上の階にはリビングダイニングと バスルーム、トイレがあります。

2階からお部屋の中に入り、 室内から階段をトントンと上ると マンションの最上階である3階です。 窓からは嵐山の一部が望めます！

玄関から、もうかわいい。 気持ちがパッと晴れそうな レモンイエローの壁紙に、

建具だってときめきのデザイン。 なんだか日本じゃないみたい…… と思ったら、お部屋全体のテイストを ベトナムの代表的な建築様式である “フレンチコロニアルスタイル” で すべて揃えたのですって！　

8.6帖のベッドルームだって、 異国情緒を感じるたたずまい。 オーナーさまが、お仕事の関係で ベトナムに長期滞在していたそうで。 持ち帰ったベトナムへの思い出が たっぷり散りばめられていそうです。

ではでは、上の階も忘れずに。 階段の手すりのロートアイアンも、 思わずキュンとするデザインです。

階段を上がったところに しっかりとホールがあり、 それぞれリビングダイニングと サニタリーに続く扉がひとつずつ。 まずはリビングから行きましょうか。

はじめにもお見せしましたが、 何度見てもやっぱりすてき！ 落ち着いた色合いのフローリング、 天井でくるくる回るシーリングファン。 キッチンとのゾーニングは 壁ではなく、床の切り替わりで さりげなく区切っているのですね。

キッチンの床も、棚の飾りも、 どちらもワッと個性的なのに うるさくないのはなんでだろう。

色味の調整が絶妙で、 むしろホッとする華やかさだ。 カラーの彩度が高くないからかな。 やんわり気持ちを包んでくれる おだやかな色たちばかり。

LDKはたっぷりの19帖！ 奥にも7.5帖の洋室があります。

扉で仕切らずに空間を ゆるんとつなげてくれているので、 スーッと視界が伸びやかに進みます。

下のベッドルームで寝るとすると、 奥の洋室はどんなことに使おうかな。 ダイニングテーブルもソファも ローテーブルも、広々したLDKが すべて受け止めてくれそうですし。

近づくとこちら、床の一部だけ タイル張りになっているので…… たとえばタイルスペースで、 鮮やかなお花を育てるのも楽しそう。 空いているところは書斎にすれば、 植物に見守られながらゆったりした心で 作業を進めることができそうです。

サニタリーも見てください、 どこからお伝えすればいいのか 悩んでしまうほど全部かわいい！ タイルで仕上げた洗面台に ころんとまぁるい鏡が添えられて、 差し色にゴールドの蛇口まで。 ブラックのタオルホルダーすら きちんとおしゃれで、ニンマリしちゃう。

バスルームは、もちろん 安心の追い焚き機能付き。 ご紹介が遅れて申し訳ないですが キッチンも3くちのガスコンロに 食洗機付きと、設備面も文句なしです。

物件周辺の様子もどうぞ。 「嵯峨嵐山駅」から徒歩5分、 「嵐電嵯峨駅」から徒歩4分と 二駅使えるありがたい立地です。

もしも一緒に暮らすのが 歩くの大好きワンちゃんなら、 さらさら流れる小川沿いが お散歩コースになるのかな。

最後になりましたが、 こちらのリノベルームには、 「đường（ドゥオン）」という 作品名が付けられています。 日本語の意味は「道」。 ネーミングはオーナーさまです。

回り道や寄り道、曲がりくねった道。 たくさんの単独の道を 歩んできたと思ったけれど、 このお部屋と出会いすべての道が "今" につながっていたのだと ハッと感じたそうなのです。

今まで歩んできた道を、 このお部屋につなげてくれる方。 いらっしゃいますか、どうですか。 ベトナムの風を感じながら ネコちゃんと一緒に暮らすなんて ついつい口角が上がりそうだなぁと、 私なんかは想像してしまいましたよ。

文・くまのなな 東京都在住のフリーライター。散歩中におうちの外観をつい見てしまう。最近はInstagramのストーリーによくいます。 @kmn_nana