物件ファンでも人気の高い京町家。
そもそも京町家の定義は

・昭和25年以前に建築された木造建築物
・平入りの屋根
・伝統的な構造を有すること
・3階建て以下

など複数あるのですが、その構造や形態は
京都に特有の環境や気候に最適化するよう
暮らしの知恵と工夫を積み重ねながら
長い年月をかけて発展してきたもの。

じゃあ、現代の暮らしに合わせて
“京町家”を再定義してもいいんじゃない？
というコンセプトのもと生まれたのが
今回ご紹介するお家。

はい、のっけからすごいんです。
道路側の1階の外壁に、銅板を採用。
通常、格子が定番のところに銅板ですよ。

かなりインパクトがありますが、
新しい“京町家”を再定義する試みとしては
意欲的というか、おもしろい！
建材としての耐久性は問題ない一方で、
経年変化することは間違いないので、
見た目の変化を感じながら暮らすという
楽しみがあります。
ただ、これだと採光が難しいのでは…？
と思ったのですが、

その心配は1階の下屋根を
ガラス瓦にすることで解決。
へー、そんなことできるんですね！

効果はいかほどかというと、ご覧のとおり。

ガラス瓦と明り取りからの光が
玄関土間にたっぷり降り注いで、
うん、思った以上に明るいです。

1階には玄関土間に加えて
18帖のLDKと奥庭。
2階には2つの洋室と水回り。
2024年3月にフルリノベが
完成したばかりのピカピカのお家です。

間取り図にもあるとおり、
1階には大きなキッチンカウンターが
どどーんと鎮座。

家族そろっての食事はもちろん、
リモートワークもできる
大きなカウンターを中心にした空間は、
現代の暮らしならではという気がします。

機能的で、しかも絵になるお家の“顔”。

部屋の中心には面発光の幕照明を設置し、
つねに心地よい明るさを維持してくれます。
調光可能で、暖色にすると夕焼け、
寒色にすると海の中のような雰囲気に。

カウンターの奥はリビングスペース。
床材は京都産の北山杉の無垢材です。
張り方と塗装にもこだわったそうなので
ぜひ実物を見て確認したいところ。

お待ちかねの奥庭は、
6帖ほどの広さがあります。

お庭をぐるりと囲む竹箒が
美観をキープしつつ
周囲の視線を遮ってくれるので
セカンドリビングのようにも使えるかも。

つづきまして、階段を上って2階へ。
下段はどっしりしたモルタル系、

途中で蹴り込み板のない
スケルトンタイプになり、
光と風を通します。

踏板は塗装されていませんが、
ここにも贅沢に
無垢材が使われているようです。

こちらは6帖のほうのお部屋。
タイル調の床、ルーバー扉の収納、
さりげなく存在感を放つ梁、
すべてがすばらしく調和しています。

ちゃあんと窓もありますよ。

2階にはほかに8帖のお部屋と
お風呂、サニタリーが備わっています。

場所は京都市左京区、高野蓼原。
叡山電鉄の元田中駅から徒歩6分、
京阪の出町柳駅徒歩10分の好立地です。

京都らしい環境のなか、
現代の暮らしに合わせて生まれ変わった
モダンで遊び心あふれる京町家…
じゃなくてMACHIYA？ マチヤ？
まあ呼称はなんでもいいか、
快適に暮らせそうなんだもの。
京都の年月の捉え方が
独特だからでしょうか、50年後は
こんなお家ばかりだったりして…と
つい未来の暮らしに
思いを馳せてしまいます。