今日は物件紹介ではなく、ひと味変えて 貴重な建築の見学会について ご紹介します。

先日、見学会を開催した 旧南林邸や、旧館林市庁舎を 企画したのと同じ、 シェアアーキテクチャープロジェクトの 一環となっています。

見学会の詳細は記事末尾でご案内しています💁‍♀️

山中湖の自然に溶け込むような 美しい建物。

こちらはアントニン ・レーモンドから 学んだ建築家・三沢浩氏の別荘建築です。 その名も『アース・ハウス』。

一時は老築化が激しかった この建物を修繕し、受け継いだのは インテリアデザイナーとして 世界で活躍する オーストラリア出身の ケイティー＆アッシュ夫妻。

アース・ハウスに惹かれ、 東京から移住し 修繕をしながら 住まわれています。

修繕にあたっておふたりが 大事にしていることは、 「家を元のデザインに戻すこと」。

1970年代の建築雑誌から 当時のアース・ハウスの資料を熟読し、 ボロボロになったこの建築をできる限り 100％元の状態に復旧することを 目指しています。

というのも 増減築がおこなわれてきたため、 購入当初は建築時の姿では 無かったのだそう。

修繕を進める中で、 後付けの外壁材によって隠れていた 大きな窓が復旧したりと、 元々の建物の姿が 現れてきたそうです。

修繕内容は、 ただ復旧をするだけではありません。

住まいとして快適に過ごしやすいように 老築化した部分は補修や解体をし、 断熱設備や 凍結防止の配管設備などを 整えています。

丁寧なプロセスによって 薄皮を剥ぐように 本来の姿を現した アース・ハウス。

時間と情熱をかけた 夫妻の緻密な復旧作業。

雄大な山中湖のロケーションも相まって まるで発掘作業のように感じます。

地形に沿うような骨格は 大地と融合しているかのよう。

自然の中で過ごす時間を 体現化しているようで 建築家の美学が伝わってきます。

南向きなので日当たりもたっぷり。

木漏れ日が優しく 室内に入ります。

窓越しに見る 豊かな木々の風景は まるで額縁で切り取ったかのよう。 家から富士山も見えるそうです。

ああ、こんな書斎で 静かに物書きや創作に没頭してみたい。

内装も木材が豊かに使用され まるでこの土地から 生えてきているかのような 感覚に陥ります。

まろやかな壁の風合いに 優しい手触りの木の手すり。 穏やかな時間を包んでくれるような 素材たちだなあ。

前のオーナーさんたちもここで 家族や会社の仲間たちと 過ごしていたそうです。

そんな思い出の詰まった家。 夫妻は自らを『所有者ではなく管理人』と考え 『この家を管理するのが私たちの仕事』 と仰っています。

二人の修繕工事はまだ途中。

これからバスルームとトイレの改修や、 焚き火やBBQを楽しめるように造園工事を おこなうのだとか。

ますます建物が 生き生きと輝きを増しそうですね。

夫妻のオリジナルを尊重し 維持しようという意志によって、 再び息吹がもたらされたアース・ハウス。

ぜひ現地で、 この建物の美学や心地よさを 体感してみたいものです。

山中湖『アースハウス（大地の家）　』見学会 （下記の緑の問い合わせボタンより事前に必ず予約してください）

【日時】 2024年5月18日（土）・19日（日） 10:00～｜13:00～ （1枠5組様程度まで　※人数により変動あり）

【見学料】 お一人につき2000円（税込） ※ご参加費用は当日、現金にてお願いいたします。

【所在地】 山梨県南都留郡山中湖村「芙蓉台別荘地」内

【集合場所】 富士山を望む山中湖の別荘地「芙蓉台別荘地」の敷地入口にある管理事務所の駐車場（ゲートに入場する必要があります）

【アクセス】 富士急行線「富士山駅」から約17km　車で約43分 東富士五湖道路「山中湖IC」から約10.4km　車で約26分 周辺のバス停／平野西口(山梨県)バス停まで約1km

※車でのお越しをおすすめしていますが、もしお車がない方でも集合場所までお越しいただけたらその後こちらで手配する車でのピックアップが可能です。

※渋滞するお時間帯がございますので、時間に余裕を持ってお越しくださいませ。

※「ご予約完了」は、運営からの返信をもって完了とさせていただきます。

Share Architectureについて

★4月27日（金）～28日（日）には群馬県館林市にある「旧館林市庁舎」　見学会も予定されています。 菊竹清訓氏によるメタボリズム建築を間近で見学しませんか？（群馬県館林市）