DIYがOK。 オーナーさんの許可を 得た改装であれば、 原状回復もしなくていい。 いわゆる「DIY可能賃貸」なのですが……

この部屋、 DIY以前にすでに 世界観が完成しています。

ここまで作り込まれた 「残置物あり」の物件、 なかなかお見かけしません。

かつては撮影スタジオとして 使われていたそうです。

室内に入ると、 まず目に入るのは 床一面に貼られた人工芝。

屋内なのに屋外のよう。 すでに方向性が、強い。

そして、問題の（？）洞窟。 本当に、洞窟です。

壁の一部が、 というレベルではなく、 ちゃんと立体で ちゃんと奥行きがあり、 背景ではなく、空間として 成立しています。

他にも、 隠れ家のような酒場風のセットや、

白壁に丸窓の フェアリー感ある一角など、 同じ部屋とは 思えないほど 表情が切り替わります。

約31.6㎡とコンパクトですが、 まっさらではない分、 むしろ想像力は広がるかもしれません。

せっかくなら、 この空間は消すより さらに手を加えて引き継ぎたい。

この世界観をさらに パワーアップさせた アトリエ、小さなショップ、 展示スペースなどなど。 用途は借り手さん次第です。

レールライトがあるのも そういったことに活かせそう。

この空間をどう使うか、 考える時間からすでに楽しい部屋です。

1階には、 革製品のアトリエ兼ショップが ご入居中なんですって。

ビル全体としても、 クリエイティブな使い方と 相性が良さそうな雰囲気です。

場所は、 千代田線直通で 北千住から約30分。 北小金駅から徒歩9分。 近隣にコインパーキングがあります。

立地は控えめ。 だけど 「ここを目がけて来る理由」に なり得る個性がしっかりあります。

刺さる人には深く刺さる。 人によっては、 夢のような「残置物」が 待っています。

文・戸田江美 @530e

1991年生まれ。デザイナー。おばあちゃんの仕事を継いで荒川区のマンションの大家をしている。落語が好き。

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