カーペット敷きの床に、
深い緑のドレッサー。
壁一面の収納を覆うルーバー扉。
ヴィンテージマンションの中は
ぜひこうであってほしい…
そんな願望を体現したような
ちょっとレトロでクラシックなお部屋です。

渋谷の南平台にたたずむ
正真正銘のヴィンテージマンション。
「ヴィンテージ」といっても最近は
バッキバキにリノベされている
お部屋が多いなか、
これほど「もしかしたら
昔のままの佇まいなのでは？」と
感じさせてくれる物件は
少ないかもしれません。

お部屋は7階の角部屋。
LDKの横に3つ並ぶ洋室のうち
2部屋が往年の姿を思わせる
美しさでして、

まずひとつはこちら、
L字型バルコニーの角にあたる洋室。
造り付けのデスクと棚が存在感を放ち、
自前の家具はひとつも置かなくても
絵になってしまう空間です。

最大の魅力は、木の板が四隅から
中央に向かって集結する天井。
なんですかこれは…！
重厚なのに浮遊感があって
素敵すぎやしませんか？
仕事や趣味の部屋にすると、
天井からインスピレーションが
降ってきそうです。

もうひとつの推し部屋は
冒頭でご覧いただいた
深い緑のドレッサーのある洋室。
この雰囲気は寝室にしたい。

木製折戸のドレッサーがある寝室、
憧れていたのですよ。
ぱかっと開いたときの
ゴールドに縁取られた
隅切りのミラーも最高！

中央の写真は玄関。
丸窓のついた室内扉を開けて、

廊下を左、左へ進めば
ドレッサーの部屋へたどり着きます。
向かいの扉は
ウォークインクローゼット、
廊下の突き当りにも
収納があります（右の写真）。

いちばん広い15帖ほどのリビングは
意外にもシンプルな空間。
“すっぴんの内装”といった趣なので、
好きな照明やソファ、テーブルで
自由にお部屋をつくり上げて。

一方、キッチンはこれまた
味わい深いんです。
ワインレッドのタイルに、
レトロなキャビネットが素敵。
4口オーブン付きガスコンロや
ダブルシンクを備えた
充実の機能もうれしいかぎり。

そして水回りもレトロと、
スペースごとに表情の違う、
緩急ついた内装デザインの妙が
たまりません。

室内にばかり
注目してしまいがちですが、
区画をぐるりと囲むような
L字型のバルコニーも
このお部屋の魅力のひとつ。
開けた視界の先には
渋谷の街が広がり、
セルリアンタワーの姿を
ばっちり拝むこともできます。
きっと夜景も美しいはず。

1972年築の建物なので、
この部屋もさすがに竣工時のままの
内装ってことはありえず、
どこかの時点でリノベや
改修がなされたのでしょう。
だとしたら、ナイスリノベ！
こんなに素敵な空間に
仕上げてくれたことに感謝しつつ、
大切に住まおうと誓うのでした。