「京都にやって来たフランス人」ってのは
私の勝手な妄想なんですけれども。

なんかそんな感じしませんか？
日本の集合住宅のよいところは活かしつつ
壁をニュアンスカラーで塗って
ビンテージ感のあるインテリアを置いて
パリのアパルトマン風味に。

和室はマスト。
でもベッドを置いちゃうもんね、という。

このお部屋本来のテーマは
「ふんわり料理が楽しくなるおうち」。
なのでL字型のキッチンは
使い勝手の良さそうな設備が
整っていますが、
シンクやコンロはすっかり生活に
なじんだ雰囲気をまとっています。
フルリノベされたばかりの部屋なのに、
あえてのチョイス。素敵。

水栓もシンクもよく見れば
ぴかぴかできれいなんだけど、
全体のデザインはレトロ。
使い古された感じのある
食器棚もたまりませんね。

壁に向かって食事をつくったら、
背後のカウンターに
お気に入りの食器を並べて盛り付けを。
このカウンターの存在も含めての
ゆとりあるキッチン。

完成したお料理は
向かいの窓の外を眺めながら、
あるいは窓からの光を背に受けながら
そのままカウンターでいただくもよし、

隣のダイニングテーブルでいただくもよし。

カウンターを
ダイニングテーブルとして使うなら、
隣の部屋はリビングスペースにして
ソファを置いてもいいな。
それもきっと絵になる。

玄関入ってすぐの光景も
めちゃくちゃ絵になって、温かい。
疲れて仕事から帰ってきて、
この空気感に出迎えられたら
うれしくて涙が出そう。
右に見える開口は寝室、
左はサニタリーの扉です。

寝室は先ほども見ていただいた
手の加えられていない和室。
こんなふうに豪快にベッドを
置いてもいいんだと参考になります。

床の間の見せ方も、ねえ。

サニタリーは左側が
洗面兼脱衣所、右側がトイレ。

お風呂にはしっかりと
新しいユニットバスが入っています。

さてさて、こちらのお部屋があるのは
京都のロイヤルコート嵯峨。

201号室の内装デザインを手がけたのは
料理人の中舎慎太郎さんです。
なるほど、だから部屋のテーマが
「ふんわり料理が楽しくなるおうち」
なのね。

リノベ済みできれいなんだけど、
元からこうだったんじゃないかと
思わせるような改装を目指したそう。

その感じ、すごくよくわかるなあ。
はじめましてのはずなのに
すでにだれかが長年住んでいたような、
生活と体温の痕跡。
人によっては、それが
京都にやって来たフランス人の生活
だったりするのでしょう。

なにはともあれ
今日からは私の物語で
上書きさせてもらいますので、
よろしくね。