住吉台のレトロマンションに、 “段差のある暮らし”を 楽しむ部屋ができました。

リビングの一角が1段下がって、 アールに囲まれたプレイスペースに。 やわらかな線と光の差し込みが、 毎日の景色を少し特別にしてくれます。

御影や住吉からスタートし、 六甲山最高峰を目指すハイカーにおなじみの 「住吉台くるくるバス」。 その停留所から徒歩1分の、 アクセス良好なレトロマンションです。 JR住吉駅までは約10分と 山と街、どちらへもすぐに出られる立地。

さりげないデザインが効いた 玄関ホールの天井や

裏庭のグリーンに手が届きそうな廊下。 お部屋までの道のりにも、 小さな魅力が散りばめられています。

では早速、プレイスペースという 個性的な空間を要する室内を じっくり見ていきましょう。

床が1段下がったその小さな空間は 座ったままでも視線が心地よく抜ける場所。 子どもの遊び場にも、 本を読むコーナーにもぴったりです。 カーペット仕上げで やさしい足触りなのもうれしい。

アールの曲線が空間にやわらかさを添えて、 そこだけ時間がゆっくり流れるよう。

頭上には 同じくアールを描いたカーテンレール。 さっと仕切るだけで お子さんのお昼寝タイムや 在宅ワークのスペースを すぐに作り出せる便利な工夫です。

キッチンは家具のような木目調で お部屋にすっと溶け込むデザイン。 すいっと立ち上がるグースネック水栓が どこかおすまし顔に見えます。

壁に貼られたグリーンのタイルは、 窓の外に見える山の緑と響き合う色。 落ち着きの中で よく映えるアクセントです。

キッチンからの景色がこちら。 ほら、タイルに映し出されているような 深いグリーンでしょう？

目線を移せば海も見えます。 左右の団地でフレーミングされたような、 この部屋ならではの特別な景色です。

隣同士ならんだ、トイレと脱衣所の床は 揃いのリノリウム。 ライムグリーンとオレンジで ほどよくレトロで、ほどよくポップ。

扉を開けるとパッと明るい色が 目に飛び込んできます。 それだけで 少し気分が上がる気がしませんか？

洗濯機置き場も室内にありますので ご安心を。

引き戸のまあるいノブは木製。 あ、洗面台の鏡もアールになってる。

洋室はプレイスペースの一角にある 扉の向こう側。

小ぢんまりとした室内に ハンガーラックが備え付け。 寝室にちょうどいい、 シンプルで落ち着くお部屋です。

窓の向こうにはこの緑。 目覚めたら、 鳥の声や葉擦れの音が聞こえてきそう。

お部屋を出た時に 伸びやかなリビングと プレイスペースのアールが 視界に広がるのも素敵です。

段差にちょこっと腰かけたり、 カーペットに寝転んで お気に入りの音楽に耳をすましたり。 そんな小さなことが うれしく感じられるのは、 この部屋の形がやさしいから。

休日の朝は プレイスペースでコーヒーを飲みながら 窓の外の光をぼんやり眺めて。 夜になれば、グリーンタイルのキッチンで スープを温めてから映画を一本。

そんな何気ない時間の積み重ねが、 この部屋を“自分らしい暮らし” へと変えていく。 山と街のあいだで、 心地よく、まるく暮らす日々をここから。

文・ほしりょうこ 散歩とビールと読書が好きな、元リフォーム屋さん。16年で9回の引越しを経験。もっぱら東京の西側にいます。 @hs_ryk