築40年弱の書院造の和室。 端正な造りは昔のままに、 柱や梁は飴色に落ち着いています。 良い材料できちんと建てられた家は 古臭くならずに古く美しくなります。 いわば、古美る（ふるびる）。 そんな平屋を手に入れませんか？

外観も渋い、かっこいい。 数寄屋門に入母屋屋根の和風建築。

門をくぐって玄関に続くアプローチへ。

木を組み合わせた軒の造りが 美しいですね。 夜、玄関灯をつけたら また違った趣になるんだろう。

40坪ほどの土地に68㎡の平屋の建物。 間取りは2LDKです。

玄関に入ると この家に使われている 素材の良さがわかります。 柱や梁をはじめ、 下駄箱や上がり框の木の質感。 趣のある格子窓も見逃せません。

そして中央の障子を開けると…

堂々の和室。 天井の高さが気持ちよいです。 鴨居の上の欄間は障子。 隣の部屋の光を取り入れる工夫です。 時を経ても 直線と直角が保たれているのは 施工の良さゆえですね。

反対側から見た様子。 障子の向こうが玄関です。 この部屋は6帖ですが、 ふすまを開け放つと 14帖もの大きな空間に。 日本の家は柔軟です。

そして、本物件の もっとも美しい部屋がこちら。 床の間を備えた書院造です。

元の住人は お茶をたしなまれたのでしょう。 床の間近くの畳に 炉を置くために切られた 炉畳がありますね。

お茶の心得のある人はもちろん、 作法とかわからなくても この部屋でお茶を飲めば 心落ち着く時間が過ごせるのではないかな。 家をきっかけにお茶の世界にはまるかも。

そして、この部屋には広い縁側があります。 ガラスのひき戸はサッシではなく 味わいのある木製。

縁側のおかげで 夏の暑い日差しは中まで届かず 冬は障子を閉めれば断熱帯になります。 日本の家は省エネです。

縁側から外の眺めはこんな感じです。 夏は縁側に座って 蚊取り線香を焚きながらスイカを。 冬はひなたぼっこをしながら お茶におまんじゅう。 日本の家は、おいしい。

一転してリビングダイニング。 ソファも置ける木の床です。

収納もたくさんありますよ。

向こうのキッチンで食事をして、 リビングダイニングや和室でくつろぐ。 普段の生活はそんな感じですね。

キッチンは使い勝手がよさそうです。 ゴミ出しに便利な勝手口もあるし、 戸棚のほかに床下収納も。 もう少しだけ落ち着いた雰囲気に リフォームすると見違えるかも。

お風呂は数年前にリフォーム済です。

浴室乾燥なども完備。

トイレは木の腰壁。 照明や障子も雰囲気ありますね。

洗面所は昭和レトロ。 好きな人にはたまらないのでは？

最後に強調しておきたいのは この家は 1981年に建築基準法が改正され、 新しい耐震基準に強化されてから 5年後に建てられたということ。 往々にして本格的な補修が必要な 古民家とは一線を画す物件です。 しかも、価格が最近見直されたばかり…。 （この価格でいいんですか？）

駅からは少し距離がありますが、 電車に乗れば1時間かからずに 都心に通勤できます。 ちょうどいい広さの古美る平屋で 本物の和の暮らしを実践する 絶好の機会です。

文:音蕗 弦 断熱耐震強化で自宅リフォーム中 クラシックギターとブラジル音楽好き