物件ファン名物とも言える、 チャレンジ物件の登場です。

俺の村を作るんだ！と 『どうぶつの森』のごとく 開拓できる方に 使っていただきたい賃貸物件です。

場所は山梨県の、 巨峰と温泉で有名なエリア。

標高が高いため、 夏はクーラーいらずで 涼しく過ごせるそうです。

避暑地としても最高の立地。

そんなエリアに静かに建つ、 存在感を放つ大きな古民家。

南側に母屋と蔵、 北側には畑。

宅地部分だけで約579㎡、 母屋の延べ床面積は約318㎡という 堂々たる規模！

蔵は計測していないので、 それも含めたらかなりの広さです。

１階は古民家によく見られる 田の字型の間取り。

土間が２つもあります。

広い縁側も健在！

これは改修したら さぞ居心地のいいスポットに なることでしょう。

墨色の柱や天井、 太い木材。

手入れをすれば 使えそうな建具や家具もちらほら。

磨き上げたら より貫禄を纏いそうな 歴史を重ねた建具。 渋いです。

土間からニョキッと 生えたかのような 階段が面白いなあ。

階段の脇からは 広めの納戸に入れます。

それでは、２階も見てみましょう。

この階段（というか梯子というか）が これまたユニーク。

小さな小さな踊り場（というか足場）を もうけた作り。

最後によっこいせと 上り切れば、２階に到着。

２階はご立派な梁が支える 広々空間です。

窓からは緑豊かな 風景が広がります。

まさに『ぼくのなつやすみ』的な 長閑な空気が漂う立地。

さらに３階も 見てみましょう。

３階もスコーン！と抜けた スケルトン状態。

屋根裏部屋と呼んで良いのでしょうが、 これだけ広いと、 もはや大広間的にも感じます。 窓が多くて明るい印象。

木材の織りなす陰影が 日本家屋らしい佇まいを 放っています。

さて、本物件は ご覧の通り、 現状のままでは すぐに住めるという感じでは ありません。

2階と3階は床板が 外されているので、 まずはコンパネを敷くなどの 手入れが前提。

トイレは汲取り式で、 母屋の前に 仮設トイレがあるのみ。

下水が来ていないエリアのため、 簡易水栓や 浄化槽の新設が望ましいなど、 手を入れるべき点はいくつかあります。

と聞くと「うわ、ハードル高そう…」と 思うかもしれません。

確かにハードルは高い。

でも見方を変えれば、 これは最高の余白。 ガッツリ目のDIY好きな方には もってこいの舞台ではないでしょうか。

自分で直した 床に座ってコーヒーを飲む。

柱や梁を磨いて ピカピカにする。

畑で野菜を育てて、 収穫したものを縁側で食べる。

倉庫やアトリエにしたり、 趣味の秘密基地にするのも面白い。

ちなみに、ペットの相談も可能です。

利用用途も広めで、 飲食店や事務所利用もOK。

ワンちゃんと過ごせるレストランとか、 山梨の食材をいただける 古民家カフェにもぴったり。

広い母屋を活用して、 ワークショップや小さなギャラリーを 開くのも楽しそうです。

ドローンを扱う事務所としてなど、 広い敷地を活かしたビジネス活用も 大いに検討できますね。

ほど近くには 日帰り温泉施設もあります。

温泉でDIY疲れを流し 休憩処でひと休み。 隣の居酒屋で締め！

そんな妄想を ふくらませているだけで ワクワクしてきます。

ちなみに民泊や旅館業には 使えないのでご注意を。

「大きな古民家を 自分らしく使いたい」という方には うってつけの自由度です。

駐車場については 少し工夫が必要。

母屋南側の細道を通れば コツは必要ですが ステップワゴンも通行可能。

ただ、北側の畑を 一部駐車場に転用する方法が 一番現実的かもしれません。

改修費用は 入居者負担が基本ですが、 大家さんも 「できる範囲で協力する」とのこと。

がっつりリノベしてもいいし、 少しずつ直しながら住んでいくのもアリ。

ちょっとやそっとでは味わえない 「古民家賃貸のリアル」と 「DIYの自由」を楽しめる物件。

手間も時間もかかるけれど、 その分、自分で育てた家になるのが 最高に楽しいはずです。

文・戸田江美

デザイナー。荒川区のマンションの大家をしている。落語が好き。@530e

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