生きていくうえでバランスをとることは、
何事においても大事だ。
だけど四角四面に
そればかりを意識していては、ツマらない。
ときには振り切ってしまったほうが、
面白くなることもある。

たとえば、この部屋のように──。

どうだ、この間取り。
居住スペースと
バルコニーがほぼ同じ面積なんて、
見事に振り切っているじゃないか。
ここまで思い切ってやられると、
清々しさすら感じる。

自分がこの物件を建てたなら、
このスペースに
もうひと部屋を作っていただろう。
ああ、哀しき貧乏性。

もちろん、インパクト重視の部屋じゃない。
３面に大きな窓があって、日当たりは抜群。

ダイニングキッチンと洋室を
仕切ることもできるし、
仕切り扉を外して
12帖と広めの
ワンルームとして使うのもいい。
各部屋にエアコンが設置されているのも
うれしいところだ。
2部屋分のエアコンを新たに買うとなると、
それなりの出費になってしまうからな。

収納はダイニングキッチンに１カ所と、

洋室にも１カ所あり。
頼りになるじゃないか。

バス、トイレはセパレートで、

室内洗濯機置き場付き。

うん、設備は独り暮らしには充分だ。

それに気に入ったのが、キッチン。

2くちコンロで、魚焼き器付き。
これなら、たいていのものは作れる。

目が覚めたら魚焼き器で魚を焼いて、
その間にコンロで味噌汁と卵焼き。
朝から自炊の和定食なんて、気分がいいぞ。
ご飯はもちろん、
寝る前に炊飯器のタイマーのスイッチをオン。
シンクも広くて、
これなら洗い物もスムーズに進む。
こりゃ本格的に
料理男子デビューで決まりだな。


さあ、お待ちかねのルーフバルコニー。

どうだ、この広さ
どうだ、この明るさ。

テーブルとチェアを置いて、
天気のいい休日はここで朝食もいいな。
そのときは焼き魚より、
やっぱりクロワッサンとカフェオレだろう。

ここをどう使うか、
センスが問われるところだ。
植物を並べてガーデン風にするか、
料理男子を自称するなら
家庭菜園をするべきか。
うーん、ありきたりか。
まあ、いい。
これだけの広さがあれば、
いろんなことができそうだ。

続いてこちらは、
南側の通常サイズのバルコニーからの眺め。

向こうに見えるのは、
神戸は三宮あたりの街並み。
ここは神戸市中央区の山側にあって、
最寄りの地下鉄県庁前駅へは徒歩8分。
三宮や元町に買い物や食事へ
ぶらぶらと散歩がてら
歩いていけなくもないし、
自転車ならすぐ。

ここから東に歩けば、
北野の異人館街。
北野には知る人ぞ知る、
買い物にも食事にもいい店が
いくつもあるのだ。
坂道のことを考えると、
横移動が増えてしまいそうだ。

いかん、いかん。
山側に5分ほど歩けば登山口もあるので、
トレッキングでもして
運動不足を解消せねば。

ストレス社会を生き抜くには、
和風家屋の縁側のように、
心にもゆとりが必要だ。
この広々としたバルコニーは、
まさにわが家の縁側。
疲れた身体と心を、
癒してくれるに違いない。
これはなんて、贅沢なんだ。