![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868943.jpeg)
心地よく存在を意識できる生活が理想。
この物件は現在は募集終了している可能性が高いです。過去物件のアーカイブとしてお楽しみ下さい。
「古いお家に住んでみたい」
書店に並んだ京町屋の写真集に、
視線をおとしながら、君が言った。
「いいね」
僕はすかさず答えた。
それを聞いて嬉しそうに君は、
「住むなら明るいお家がいい」
と条件を追加。
だから僕も、
「風通しの良いお家なら、尚いいね」
と付け加えた。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868939.jpeg)
八清
京都御所の南側、
麹町通りに面した奥路地にある京町家。
街中の暮らしに慣れた二人には、
便利な立地が好都合だった。
君は町屋の外観に
一目惚れしたようだったけど、
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868940.jpeg)
八清
僕は門扉の上に付いたまあるい照明の
可愛らしさが気に入った。
仕事で疲れて帰ってきた時、
この明かりが
ぽわんと灯っているのを見ると、
「あぁ、家に帰ってきたんだなぁ」
としみじみ安心する。
そうしたら、緊張がほぐれるのか
突然にお腹が減ったりするから、不思議だ。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868956.jpeg)
八清
ふたりの生活空間が分断されるような
仕切りが多い家は、
どこか寂しいと思っていた。
心地よくお互いの存在を意識できる、
そんな生活が理想だ。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868942.jpeg)
八清
僕が帰る頃、
君は夕食の準備に取り掛かっている。
石畳のアプローチを渡る僕の靴音を聞くと、
君はバタバタと
玄関の戸をあけ出迎えてくれた。
その頭の上にも、
もう一つまあるい明かりが灯っている。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868943.jpeg)
八清
作りかけの料理を放って、
慌てて手を濯いだのか
ちょっと濡れた君の手。
そんな「おかえり」がおかしくて、
笑いながら
コンビニで買ったおつまみを手渡した。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868944.jpeg)
八清
玄関先に荷物を置くと、たいてい僕は
庭へと続く石畳のどこかで一服する。
高い竹垣が外の視線を通さず、
生活音も和らげてくれる。
丁度よく、静かな自分だけの時間。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868945.jpeg)
八清
玄関で脱いだ靴は、きちんと揃える。
土間にシューズラックを置かないのは、
「物が増えるし、似合わない」
と君がいうからだ。
必要な時だけ、
押入れから別の靴を下ろしてくる。
おかげで靴を手入れする習慣がついた。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868946.jpeg)
八清
LDKを繋げる広い板の間、襖は僕が外した。
晴れた日は横に連なる格子窓が、
部屋いっぱいに光を取り込んであたたかい。
雨の日は、窓際にずらっと洗濯物が並ぶ。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868950.jpeg)
八清
仕切りを取り去ると、
キッチンから奥の縁側まで景色が広がった。
窓を開ければ、
気持ちの良い風が通り抜ける。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868949.jpeg)
八清
緑を多くするため、
庭の常緑樹を増やしたばかりだ。
初めて植えた割には、
うまい具合に根付いたなと感心しながら
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868948.jpeg)
八清
縁側でくつろいでいても、
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868951.jpeg)
八清
キッチンであくせく夕食をつくる君が
視野の端に入る寸法だ。
君は「IHは火力が...」と渋っていたが、
今や掃除しやすいと
すっかりお気に召したよう。
夕食を心置きなく楽しむために、
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868957.jpeg)
八清
僕だけ先にお風呂で体をほぐしておく。
システムバスだけど、さし色の濃紺は
きちんと家の雰囲気に合っている。
さて、そろそろ
「できたよ」と食卓に呼ばれる頃かな。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868947.jpeg)
八清
低い食卓に座ると、
目線の高さにくる升格子の窓。
いつ見ても、
心が落ち着く整然とした光景だ。
この窓も
晩酌のおつまみになってる気がする。
晩酌後は食卓の脇に並べた座布団の上で
寝そべるのが好きな君。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868952.jpeg)
八清
風邪をひくからと、見かねて僕は
先に布団を敷くため二階へ上がる。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868953.jpeg)
八清
二階も隔たりがなく、
板の間と和室が一続きになっている。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868954.jpeg)
八清
この和室が僕らの寝室。
布団を二組敷いていたら、
階段を上がってくる足音が聞こえた。
少し酔った様子の君は、眠い目を擦りながら
まだシーツの敷いてない
布団へと寝転がった。
困っている僕を見上げると、
「家族が増えたら
川の字で眠れるくらい広いね」
と言った。
突然の発言に僕はあわてて、
持っていたシーツを君に被せた。
「なっ!これが、本当の照れ隠しか!!」
と君。
そうです、図星です。
僕はその場から逃げるように
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868955.jpeg)
八清
書庫として使っている納戸へ入った。
気を沈めるために本を読みに来たのに、
空模様の壁紙が浮ついた気持ちを、
さらにふわふわにする。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868618.jpeg)
八清
「古いお家に住んでみたい」
少しとっぴな提案だったけど、
二つ返事で応じて良かった。
二人の条件に合った京町家が、
たまたま心地の良い余白がある家だった。
理想の暮らしが始まった今、
家族が増えるなんてずっと先のことのように
思っていたけど、
そう遠くはないかもしれないな。
書店に並んだ京町屋の写真集に、
視線をおとしながら、君が言った。
「いいね」
僕はすかさず答えた。
それを聞いて嬉しそうに君は、
「住むなら明るいお家がいい」
と条件を追加。
だから僕も、
「風通しの良いお家なら、尚いいね」
と付け加えた。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868939.jpeg)
京都御所の南側、
麹町通りに面した奥路地にある京町家。
街中の暮らしに慣れた二人には、
便利な立地が好都合だった。
君は町屋の外観に
一目惚れしたようだったけど、
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868940.jpeg)
僕は門扉の上に付いたまあるい照明の
可愛らしさが気に入った。
仕事で疲れて帰ってきた時、
この明かりが
ぽわんと灯っているのを見ると、
「あぁ、家に帰ってきたんだなぁ」
としみじみ安心する。
そうしたら、緊張がほぐれるのか
突然にお腹が減ったりするから、不思議だ。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868956.jpeg)
ふたりの生活空間が分断されるような
仕切りが多い家は、
どこか寂しいと思っていた。
心地よくお互いの存在を意識できる、
そんな生活が理想だ。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868942.jpeg)
僕が帰る頃、
君は夕食の準備に取り掛かっている。
石畳のアプローチを渡る僕の靴音を聞くと、
君はバタバタと
玄関の戸をあけ出迎えてくれた。
その頭の上にも、
もう一つまあるい明かりが灯っている。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868943.jpeg)
作りかけの料理を放って、
慌てて手を濯いだのか
ちょっと濡れた君の手。
そんな「おかえり」がおかしくて、
笑いながら
コンビニで買ったおつまみを手渡した。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868944.jpeg)
玄関先に荷物を置くと、たいてい僕は
庭へと続く石畳のどこかで一服する。
高い竹垣が外の視線を通さず、
生活音も和らげてくれる。
丁度よく、静かな自分だけの時間。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868945.jpeg)
玄関で脱いだ靴は、きちんと揃える。
土間にシューズラックを置かないのは、
「物が増えるし、似合わない」
と君がいうからだ。
必要な時だけ、
押入れから別の靴を下ろしてくる。
おかげで靴を手入れする習慣がついた。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868946.jpeg)
LDKを繋げる広い板の間、襖は僕が外した。
晴れた日は横に連なる格子窓が、
部屋いっぱいに光を取り込んであたたかい。
雨の日は、窓際にずらっと洗濯物が並ぶ。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868950.jpeg)
仕切りを取り去ると、
キッチンから奥の縁側まで景色が広がった。
窓を開ければ、
気持ちの良い風が通り抜ける。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868949.jpeg)
緑を多くするため、
庭の常緑樹を増やしたばかりだ。
初めて植えた割には、
うまい具合に根付いたなと感心しながら
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868948.jpeg)
縁側でくつろいでいても、
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868951.jpeg)
キッチンであくせく夕食をつくる君が
視野の端に入る寸法だ。
君は「IHは火力が...」と渋っていたが、
今や掃除しやすいと
すっかりお気に召したよう。
夕食を心置きなく楽しむために、
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868957.jpeg)
僕だけ先にお風呂で体をほぐしておく。
システムバスだけど、さし色の濃紺は
きちんと家の雰囲気に合っている。
さて、そろそろ
「できたよ」と食卓に呼ばれる頃かな。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868947.jpeg)
低い食卓に座ると、
目線の高さにくる升格子の窓。
いつ見ても、
心が落ち着く整然とした光景だ。
この窓も
晩酌のおつまみになってる気がする。
晩酌後は食卓の脇に並べた座布団の上で
寝そべるのが好きな君。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868952.jpeg)
風邪をひくからと、見かねて僕は
先に布団を敷くため二階へ上がる。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868953.jpeg)
二階も隔たりがなく、
板の間と和室が一続きになっている。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868954.jpeg)
この和室が僕らの寝室。
布団を二組敷いていたら、
階段を上がってくる足音が聞こえた。
少し酔った様子の君は、眠い目を擦りながら
まだシーツの敷いてない
布団へと寝転がった。
困っている僕を見上げると、
「家族が増えたら
川の字で眠れるくらい広いね」
と言った。
突然の発言に僕はあわてて、
持っていたシーツを君に被せた。
「なっ!これが、本当の照れ隠しか!!」
と君。
そうです、図星です。
僕はその場から逃げるように
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868955.jpeg)
書庫として使っている納戸へ入った。
気を沈めるために本を読みに来たのに、
空模様の壁紙が浮ついた気持ちを、
さらにふわふわにする。
![](https://photo.roomhub.jp/media/2/6078720633640868618.jpeg)
「古いお家に住んでみたい」
少しとっぴな提案だったけど、
二つ返事で応じて良かった。
二人の条件に合った京町家が、
たまたま心地の良い余白がある家だった。
理想の暮らしが始まった今、
家族が増えるなんてずっと先のことのように
思っていたけど、
そう遠くはないかもしれないな。
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