「普通」って軸が
もう未来に向かって動いた、
…かのような気がしている人も
平成をこえ、令和を迎えた今、
きっと
多数おられるかと思いますが…

どっこい、
私にとっての
ここであって欲しい
「普通」のラインは
この平屋。

そう！
昭和感溢れるこの一軒家。


大の字になれる縁側があり、

美しい続き間で

一番奥に茶室のような四畳半。

風に揺れる緑の影と
溢れる光が踊る窓の外。

この家が建てられた
GHQに占領されていた
その当時からほぼ変わらぬ景色。


この景色が土台になっていて…


それから少し時はたち
庭を少し潰して作っただろう
砂利敷の駐車場には
古い型の
日産サニーかカローラかが
良く似合ったろう。

ロールキャベツや
ナポリタンとか
ポークジンジャー、
それから、
梅酒まで似合いそうなキッチン。

その横に
ノリタケが飾られそうな食器棚。

様々な時代に
少しずつ姿を変えつつ
似合いつつ、
今も普通であり続ける。

ほら、
ライフスタイルの変化に合わせ
和室一辺倒の間取りから
板の間にして寝室に。

水回りも洋風アレンジを受け入れ

洗面台の一つは
その大枠を残しながらも
洋風化を免れて
ところどころがアップデートされ、

そしてでも
全てが枠には収まりきらない
この感じね。

お風呂だってそう。

昭和な風貌をとどめつつ、
長かった昭和の
それぞれの時代が
ないまぜになった組み合わせで
時代の流れを見せてくれる。

和建築然とした玄関と
裏手の出入り口には
サーフィン用の屋外シャワーも。

こんな感じに
様々な時代を通り過ぎて、
変化を内包してきて、
未だに普通であり続ける凄さね。
懐が深い。

そう、
あの時も普通だったし、
きっとこれからも普通。
少しづつ変わっていっても
ずっと普通。
もちろん、今だって。

そんな風に
流行り廃りが少なくて、
こんな風に
ずっと普通でいられることって
それはそれはいい家で、
とっても贅沢なことだろうと。

うん、
アップデートされる普通の中で、
そのアップデートを内包し続けられる
あの当時の普通はやっぱり贅沢。