昔の実家に似た雰囲気の部屋に、
どうにも惹かれてしまうの。
なんだか初恋の人の面影を、ずっと
追いかけているような気分になる。

もちろん、こんなふうな間取りじゃ
なかったけどね。
ここはここ、実家は実家。
でも、なんだか思い出しちゃう。

年月を感じさせる玄関先。
これからの数年間、家の歴史に、
ちょっと参加させてもらおう。

靴箱、近所のスーパーで買った、
なんでもない突っかけを入れても
許してくれそうで嬉しい。

キッチンの窓を開けて、さあ、
今日も張り切って料理しよう。

調理スペースがきちんとあるし、
シンクも使いやすそうなサイズだ。
昔よく母が作ってた、れんこんの
酢漬けとかなんとなく作っておく。

我が家はご飯の前にお風呂派。
一人暮らしだけどちゃんと脱衣所が
あるのが良いな、って思う。
ちゃんと切り替えがあるというか。

冬場はいつでも湯船に入りたい。

ご飯はダイニングで食べてもいい、
真ん中の部屋で食べてもいい。
奥の部屋は寝室にしちゃうから、
机に向かうのは真ん中の部屋かな。

収納も色々あることだし、
日中はここにいることが多いかも。

それにしても、押入れの心強さ。
そういえば、最近ネットで、
ドラえもんの布団ケースなんて、
見つけちゃったんだよね。
あれ、買っちゃってもいいな。
きっと、部屋に似合うでしょう。

寝室は、明るいほうが好きだった。
実家がそうだったからかも。
朝、自然に目が覚めるのが、いい。

出窓で植物なんて育てたいけど、
ぐうたらだから、枯らしそうだ。
もう少しなにか…。
そう考えているけど、まだまだ、
置くものが決まらない。

南向きなんだって。

洗濯機置場が共用部にあるから、
そこだけちょっと大変なんだけど。

どこでだって洗濯物が干されて、
風にはためいている。

洗濯物を干し終えて、部屋に戻ると
風がさーっと玄関まで通り抜ける。
扉を基本的に開けているのは、
清々しい瞬間があるからだ。

風と一緒に、玄関から出て、
そのまま外に出かけてみよう。

今日は郵便物は来ないから。

そういえば、昔よく、駅まで両親と
歩いていった。そんなことも、
なつかしい部屋の空気で、
なんとなく思い出す。