ご飯を食べたあと、洗い物して、
そのあとうたた寝しちゃってた。

リビングの一角には畳があって、
そこで昼寝してください、と
不動産屋さんも笑ってたっけ。

玄関から廊下が、ちゃんとあるのが
良いな、って思う。
冬場、リビングを一歩出ると、もう
気温が違ってたりしてさ。

水回りの落ち着きっぷりに、
築年数を感じてみたりする。

壁紙の雰囲気が実家に似ている。
だからどう、ってわけじゃないけど
視界の端に映る壁は、なんだか
安心感があって良い。

お手洗いは水回りの奥。
そんなところにも、長く住んだ家を
思い出してしまう。
生活導線があまり変わらないって、
意外と心地良いんだな。

まあ、実家の風呂には鏡なんて、
付いてなかったんだけど。

風が抜けていくのが気持ちよくて、
つい開けっ放しにしてしまう窓。

昼寝しちゃうのも、わかる。
ご飯を食べてすぐに寝るのは、
健康に良くないんだけど。
良くないんだけど、つい。

借りた本とか読んでるうちに、
気づくと瞼が重たくなって、はっと
起きると、窓から秋の風がさーっと
流れてくる。

いつの間に寝てたんだろう。
小さな机には飲みかけのグラス、
びちゃびちゃに結露している。

ぐーっと伸びをして、少なくなった
休日の残りを、きちんと過ごす、
そう決意する。

買ってあったひき肉を炒めて、
とりあえず肉味噌を作っておく。
キッチンにも小窓があって嬉しい。
においがこもるのは嫌だから、
換気しながら作ってる。

部屋と廊下をつなぐドアにも、
なんか実家っぽさがあるんだな。
そう思いながら、夕食にする。

振り返れば、収納。
そろそろ衣替えしないとな。

押入れの中身も、天気がいい内に
干してあげたいな。

せっかくバルコニーもあるんだし。

そうそう、押入れがあるんだったら
布団で寝ようかな、と思ったんだ。
結局、洋室にベッドを置いたけど。

朝起きて、リビングに出て、
窓を開けて回るのが日課になった。
ふわっと風が入ってきて、
清々しい気持ちになる。

実家より高いところで、寝起きを
しているよ、いま。
吹いてくる風は同じなのに、
一人のせいか、なんだか、
風の解像度がぐーんと上がった。
なんて、寝ぼけてるだけかな。