猫のように丸くなる彼女の。
この物件は現在は募集終了している可能性が高いです。過去物件のアーカイブとしてお楽しみ下さい。
4.5帖の小さな畳の部屋は、
いつからか彼女の定位置になった。
どうせ一人では持て余す部屋だけど
二人で住むには個室がないから、
どうかなあ、と考えていたところ。
必要最低限の荷物が持ち込まれて、
あれよあれよと寝床が作られた。
なかなか立派な玄関先には、
サイズが微妙に違うサンダル。
私が帰ってくると、今日も部屋に
居たらしい彼女が開けてくれる。
やっぱり猫を飼っているような、
そんな気分になる。
でも、温かいごはんが出来ていると
嬉しい気分になるし、キッチンは
ぴかぴかに保たれているし。
残業で遅くなるわたしに、
神様がご褒美をくれたみたいだ。
窓辺に置いたテーブルで、二人で
ご飯を食べると心がじんわりと、
なんだかくすぐったい気分になる。
そんなふうに付かず離れずで
同棲しているのかしていないのか、
まだ分からないから、ベッドはまだ
買えずにいる。
ソファベッドで人は熟睡出来るとは
彼女が住み着いて分かったことだ。
しかし洗面台には二人分のコップと
歯ブラシが並ぶようになったし、
お風呂にもわたしのものではない、
彼女のシャンプーたちが置かれる
ようになった。
お互いにそこまでこだわりはない。
でも同じものは使いたくない、と
わけのわからないことをしている。
畳に惹かれて借りたはずの部屋は、
彼女が丸まってだらんとする場所に
なっていた。食べカスはないし、
枕ぐらいだから、いたって平和な
光景なのだけど。
押入れの下段は完璧に彼女のもの。
来客用に、と買った布団は、専ら
彼女が寝るのに使っている。
わたしは、ソファベッドの側に
クローゼットがあるから、いい。
「家政婦みたいなものだと思って」
と、洗濯物を干して笑う。
家政婦ねえ。わたし、今まで一人で
バリキャリみたいな感じで、
なんとか生活してきたつもりだけど
そういうのもいいのかなあ。
洗濯物を畳む彼女を見ながら、そう
思ってみたりする。
だからたまに彼女が居ない日には、
夕飯なんて作る気になれずに
下の飲食店へ向かってしまう。
「今日来ないの」と打った文を
「明日は来てね」と直しながら。
いつからか彼女の定位置になった。
どうせ一人では持て余す部屋だけど
二人で住むには個室がないから、
どうかなあ、と考えていたところ。
必要最低限の荷物が持ち込まれて、
あれよあれよと寝床が作られた。
なかなか立派な玄関先には、
サイズが微妙に違うサンダル。
私が帰ってくると、今日も部屋に
居たらしい彼女が開けてくれる。
やっぱり猫を飼っているような、
そんな気分になる。
でも、温かいごはんが出来ていると
嬉しい気分になるし、キッチンは
ぴかぴかに保たれているし。
残業で遅くなるわたしに、
神様がご褒美をくれたみたいだ。
窓辺に置いたテーブルで、二人で
ご飯を食べると心がじんわりと、
なんだかくすぐったい気分になる。
そんなふうに付かず離れずで
同棲しているのかしていないのか、
まだ分からないから、ベッドはまだ
買えずにいる。
ソファベッドで人は熟睡出来るとは
彼女が住み着いて分かったことだ。
しかし洗面台には二人分のコップと
歯ブラシが並ぶようになったし、
お風呂にもわたしのものではない、
彼女のシャンプーたちが置かれる
ようになった。
お互いにそこまでこだわりはない。
でも同じものは使いたくない、と
わけのわからないことをしている。
畳に惹かれて借りたはずの部屋は、
彼女が丸まってだらんとする場所に
なっていた。食べカスはないし、
枕ぐらいだから、いたって平和な
光景なのだけど。
押入れの下段は完璧に彼女のもの。
来客用に、と買った布団は、専ら
彼女が寝るのに使っている。
わたしは、ソファベッドの側に
クローゼットがあるから、いい。
「家政婦みたいなものだと思って」
と、洗濯物を干して笑う。
家政婦ねえ。わたし、今まで一人で
バリキャリみたいな感じで、
なんとか生活してきたつもりだけど
そういうのもいいのかなあ。
洗濯物を畳む彼女を見ながら、そう
思ってみたりする。
だからたまに彼女が居ない日には、
夕飯なんて作る気になれずに
下の飲食店へ向かってしまう。
「今日来ないの」と打った文を
「明日は来てね」と直しながら。