二人で気に入った素敵な家
この物件は現在は募集終了している可能性が高いです。過去物件のアーカイブとしてお楽しみ下さい。
都会から地元への引越が、
「都落ち」から「Uターン」になって
少しポジティブな印象に変わったのは
いったいいつの頃からだろう。
それから「移住」が流行って…
震災のタイミングでも
家族の事や仕事、将来、
いろいろと考えたけど、
それでも私は都会にしがみついてた。
空の広い地元に帰ってきて
キラキラとした、
いわゆる
地域活性をしに来た人と思われるのも
困ってしまうしなぁと考えたし
希望とはほど遠いだろう仕事を
ツテを頼って探して回って
無理して働いて
ママチャリに乗って買い物に出かけ、
慎ましやかに暮らす。
その当時の私には、
そんな暮らしのイメージが
どうしても持てなかった。
何よりも
自分の居場所が想像できなかった。
それは、物理的にも比喩的にも。
後ろめたさを抱えて
逃げるように田舎を後にした
私の居場所は、きっとずっと
町に住む恋人の隣だと思っていた。
二人で暮らしていると
ただいまより おかえりが嬉しい。
玄関に持ち込んだ折り畳み自転車を
「今日の報告」をしつつ二人で片付けて
キッチンで肩を並べてご飯を作って
あれ取ってで通じたとき 嬉しい。
二人でお風呂に入るのは
ディズニーシーより楽しい。
食後に二人で
人をダメにするクッションを並べて
グータラする時間も含めてのご馳走。
そんな幸せな暮らしは
恋人と住む
都会にしかないと思っていた。
でも私は今
ここで一人で暮らして居る。
ここを見つけたのは恋人だった。
ふいに私の地元話になって、
昔、不動産屋さん勤務だった恋人が
たまたまここを見つけて、
飛行機も驚くほど安く取れたので、
遅い夏休み旅行にと二人で旅をして
その時に、
(恋人曰く)
「お客さんのふり」をして内見した。
旅行の最終日に訪れたこの部屋を
二人とも一目で気に入った。
このピンク。
まさかと思うくらいに理想の色だった。
不動産屋さんが居る前で
ここでの暮らしを妄想して
話し合って、
なんだか少し
無理を感じるくらいに
二人して
はしゃいだのをよく覚えてる。
親に挨拶しない旅だったけれども
それでもお互いに
何かを考えていたのだろう事は
言葉に出さなくてもわかる、
そんな旅だった。
そしてでも、
最終的に、ここにたどり着いたのは
私だけだった。
あれから時間が少したったけれども、
あれ?
なんで私ここに居るの?
と寝起に不思議に思う事もまだある。
その後、
決まって少しだけ泣くのだけれど、
そういう機会も徐々に減って来た。
今ではここでの暮らしも
慣れたもので、
ママチャリでお買い物に行ってる。
紹介で小さな会社にも先月入社した。
そして、ほぼ毎日ここに帰ってきて
最後の思い出になったこの部屋で
暮らしている。
事情を知った優しい不動産屋さんに
キャンセルしますか?と
聞かれたけれど、
いいえと答えた。
地元には帰って来れても
実家にはやっぱりなかなか帰りづらい。
幸い、家賃は一人分の貯蓄で
しばらく支払える額だったし、
何よりその時は、この物件に
他の誰かに住まれたくないって
強く思ったってのが大きいかも。
広い部屋で
さみしいなぁと思うことはある。
でも、各所の色をみては
ああ、この色の話をしたなとフフと笑い、
細々したところのデザインが可愛いねと
隣に居ないあなたに語りかける。
もちろん毎日この部屋で過ごし、
あ、あそこ直線じゃないんだ! とか
なるほど、だからここはこうなのか。
と毎日のように
小さな発見をして居るので
二人での記憶の数を乗り越えて
一人での記憶の方が増えて行く。
それは寂しくもあるけど、
最近は発見をする自分を
褒めてあげるようにしてる。
(しいたけさんもそう言ってたし。)
話を聞きつけた旧友悪友たちが
入れ替わり立ち替わりで
二日とあけずに顔を出してくれるのも
今はもう笑顔で迎えられる。
新しい恋なんてものは
正直この年なので
来世までお預けだろうけれども、
恋人というのとはまた違う形で
幸せを分け合える人と、人たちと
ここでなら幸せに暮らせるかも。
そう思わせてくれるような
素敵な家。
二人で気に入った素敵な家。
今はたまたま一人だけれども、
大切に住んでいきたいし、
幸せに暮らしたい。
あの人にも
心から感謝しながら。
「都落ち」から「Uターン」になって
少しポジティブな印象に変わったのは
いったいいつの頃からだろう。
それから「移住」が流行って…
震災のタイミングでも
家族の事や仕事、将来、
いろいろと考えたけど、
それでも私は都会にしがみついてた。
空の広い地元に帰ってきて
キラキラとした、
いわゆる
地域活性をしに来た人と思われるのも
困ってしまうしなぁと考えたし
希望とはほど遠いだろう仕事を
ツテを頼って探して回って
無理して働いて
ママチャリに乗って買い物に出かけ、
慎ましやかに暮らす。
その当時の私には、
そんな暮らしのイメージが
どうしても持てなかった。
何よりも
自分の居場所が想像できなかった。
それは、物理的にも比喩的にも。
後ろめたさを抱えて
逃げるように田舎を後にした
私の居場所は、きっとずっと
町に住む恋人の隣だと思っていた。
二人で暮らしていると
ただいまより おかえりが嬉しい。
玄関に持ち込んだ折り畳み自転車を
「今日の報告」をしつつ二人で片付けて
キッチンで肩を並べてご飯を作って
あれ取ってで通じたとき 嬉しい。
二人でお風呂に入るのは
ディズニーシーより楽しい。
食後に二人で
人をダメにするクッションを並べて
グータラする時間も含めてのご馳走。
そんな幸せな暮らしは
恋人と住む
都会にしかないと思っていた。
でも私は今
ここで一人で暮らして居る。
ここを見つけたのは恋人だった。
ふいに私の地元話になって、
昔、不動産屋さん勤務だった恋人が
たまたまここを見つけて、
飛行機も驚くほど安く取れたので、
遅い夏休み旅行にと二人で旅をして
その時に、
(恋人曰く)
「お客さんのふり」をして内見した。
旅行の最終日に訪れたこの部屋を
二人とも一目で気に入った。
このピンク。
まさかと思うくらいに理想の色だった。
不動産屋さんが居る前で
ここでの暮らしを妄想して
話し合って、
なんだか少し
無理を感じるくらいに
二人して
はしゃいだのをよく覚えてる。
親に挨拶しない旅だったけれども
それでもお互いに
何かを考えていたのだろう事は
言葉に出さなくてもわかる、
そんな旅だった。
そしてでも、
最終的に、ここにたどり着いたのは
私だけだった。
あれから時間が少したったけれども、
あれ?
なんで私ここに居るの?
と寝起に不思議に思う事もまだある。
その後、
決まって少しだけ泣くのだけれど、
そういう機会も徐々に減って来た。
今ではここでの暮らしも
慣れたもので、
ママチャリでお買い物に行ってる。
紹介で小さな会社にも先月入社した。
そして、ほぼ毎日ここに帰ってきて
最後の思い出になったこの部屋で
暮らしている。
事情を知った優しい不動産屋さんに
キャンセルしますか?と
聞かれたけれど、
いいえと答えた。
地元には帰って来れても
実家にはやっぱりなかなか帰りづらい。
幸い、家賃は一人分の貯蓄で
しばらく支払える額だったし、
何よりその時は、この物件に
他の誰かに住まれたくないって
強く思ったってのが大きいかも。
広い部屋で
さみしいなぁと思うことはある。
でも、各所の色をみては
ああ、この色の話をしたなとフフと笑い、
細々したところのデザインが可愛いねと
隣に居ないあなたに語りかける。
もちろん毎日この部屋で過ごし、
あ、あそこ直線じゃないんだ! とか
なるほど、だからここはこうなのか。
と毎日のように
小さな発見をして居るので
二人での記憶の数を乗り越えて
一人での記憶の方が増えて行く。
それは寂しくもあるけど、
最近は発見をする自分を
褒めてあげるようにしてる。
(しいたけさんもそう言ってたし。)
話を聞きつけた旧友悪友たちが
入れ替わり立ち替わりで
二日とあけずに顔を出してくれるのも
今はもう笑顔で迎えられる。
新しい恋なんてものは
正直この年なので
来世までお預けだろうけれども、
恋人というのとはまた違う形で
幸せを分け合える人と、人たちと
ここでなら幸せに暮らせるかも。
そう思わせてくれるような
素敵な家。
二人で気に入った素敵な家。
今はたまたま一人だけれども、
大切に住んでいきたいし、
幸せに暮らしたい。
あの人にも
心から感謝しながら。
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