学生のころ、テストが終わったら
ファミレスで延々しゃべっていた、
あの感じ。
おとなになったら、こうなるんだ。

一人で住むのはさみしいからと、
二人で住むことにしたのがこの間。
料理が好きなことと、おしゃべりが
好きなことが、ぴたっと合致した。

玄関が広いから、友達をたくさん
呼んでも大丈夫。

いつも出しっぱなしにしている靴は
靴箱にしまっておく。

廊下の収納には靴磨きの道具とか、
掃除用具とかを入れてある。
靴屋の友達がおすすめしてくれた、
靴用のクリームなんかもここに。

おやすみの日、皆の予定が合ったら
うちに集合ね。

買ってきてもらった食材が、次々に
並べられていく大きなキッチン。
定期的に集まるのは、学生時代から
縁がある友達たちだ。
みんな食いしん坊でよかった。

食べるのも飲むのも好きな女4人が
代わる代わるコンロの前に立つ。

そろそろ出来るかな。
大きな洗面台には、憧れだった
Aesopのハンドソープを置いた。
(引越し祝いにもらったのだ)

そうしてできたごはんを、
まずはどこで食べようか。

梅雨が開けて爽やかな晴れ間。
そうだね、今日はバルコニーで
乾杯しようよ。

小さなテーブルと椅子ぐらいは
置けるし、手を洗える洗面台も
あるからさ。

鳥のさえずりを聞きながら、
この間見た落合シェフのレシピで
トマトソースのパスタ。
真っ昼間からワインも開けちゃう。

そろそろデザートでも食べよっか。
今日はわらび餅があるんだ。

ダイニングテーブルも和室もあると
こうやって贅沢に部屋を移動して、
その度新鮮な気持ちで飲めるね。
小さなちゃぶ台を囲んで、
今日も楽しかったね。

家に人を呼んだあとは、すっかり
静かになった部屋がさみしい。
でも今は同居人が居る。
「楽しかったね」「またやろう」
と言いながら、一息つく。

さあ、お風呂に入ろう。
夕飯は昼間の余りを食べようと
考えていたけど、なさそうだ。

私室の奥には、
ウォークインクローゼット。

二人でパジャマに着替えちゃうと、
もうご飯を作るのが面倒になる。
もちろん、どこかに食べに行くのも
なしだ。

「どうしよっか」「出前取る？」
「そうしよう」
ベランダで互いの洗濯物を干して、
出前を取ることに決める。

出前が来るまでの間、作業するね、
と同居人がパソコンに向かう。

掃除でもしようか、と彼女の背中を
見ながらぼんやり思う。

みんなが来た日のにぎやかな食卓も
二人で出前のピザを食べるときも、
ダイニングテーブルが中心にある。
一家の大黒柱とは言うけれど、
二人の中心は、まず間違いなく、
この食卓にある。

笑いながら食べるご飯は美味しいし
あたらしい家は、こんなに豪華だ。
とにかく日常は続くし、生きている
限りは一緒に暮らしていこうよ。