我が家には、月がある。
雪の中に浮かぶ白。
そんな月なのである。

ロフト付きのワンルーム。
月は、ここに浮かんでいる。

月は、光を反射して光る。
我が家の月は、自ら発光している。

こんなお家で、
月を、定点観測する。

たまには、観測地を変えてロフトから。

ロフトという星座によじ登って、
上から月を見下ろしてみる。

この景色、我が家の特権だ。

いたって、普通なんだけど、
月明かりに照らされてか、
この白いクローゼットさえ、
なんだか、特別に見える。

月を見ながら、クッキング。

二口のコンロまで、星に見えてくる。
シンクは、クレーターかな。
洗濯機はその隣に着陸させている。

朝シャン派だから、お風呂で太陽を感じる。
小窓がついているのが嬉しかった。

脱衣所には、洗面台とトイレが仲良く並ぶ。
共感してもらえたらいいのだけれど、
ペーパーホルダーに、宇宙を感じている。

いや、なんでもないや。

玄関はちいさめだけど、
陽の光が届く構造。

エントランスでは、
緑がそよめく。

お家の中では、
雪の色した月が、たゆたう。

今夜は、階段のスキマからと言わず、
堂々と、月見酒でもしゃれこもうか。