全く違う二つの素材が、
柔らかに融合する。
理想はカフェオレのような比率。

素材に限らず“融合”は、
人と一緒に暮らす事とも、似ているかも。

選んだのはどっしりした、古いマンション。
落ち着きのある見た目に、
安心感があるでしょ？

二人でも広々な1LDKの間取り。
1LDKと聞いて「？」となった人は鋭い！
空間を上手に使う工夫が、
このお部屋には隠されてる。

玄関を入ってすぐ。
重い印象の壁を優しくする、杉材。
シューズラックもお揃い。

打ちっ放しのコンクリ壁に杉材が、
ピタッと寄り添っている。
印象も浮かずに美しい。

長く伸びる廊下も、ぜんぶ無垢床。
スポットライトの光がリビングまで続く。

多趣味な二人が、お互いの空間を、
完全に隔てるのではなく、
分け合うために。

繋げるとリビングまで抜ける長いお部屋。
分けると細かく4部屋。
収納のある手前一部屋は、寝室にしてる。

リビング側には、一面有孔ボードの壁。
越してきてからといえば、
あの人は、ここの壁を飾るのに夢中。

ひらけたリビングに、
部屋の木枠だけが走ってるのが好き。

天井の真ん中にある、
照明の束があの人のお気に入り。

私はといえば、
リビングのソファーに体を、
投げ出す時間に幸せを感じてる。

むき出しの天井を通る二本の配管を、
見上げたりして。

料理下手だったけど、
このキッチンを手に入れてからは、
毎日新しい献立に挑戦してる。
（味については改良の余地あり…。)

キッチンからも眺められる、バルコニー。
ここでカラッと乾いた洗濯物に、
顔を埋める。

サニタリーは清潔感が一番。
明るい化粧台でするメイクのノリは、
今日も抜群。

一人でのびのびのお風呂に、
たまにわざと二人でみっちり浸かってる。
トトロのワンシーンみたいに、
お水が溢れて、大笑い。

全く違う二つの素材が調和する。

二人の暮らしも、
他愛のない会話を楽しみながら、
ここでゆっくり一緒になっていく。