縁側に二人で座って、スマホから
ラジオを流してのんびりする。
ハイテクな老後って感じだ。

基本的に個室がない作りだけど、
個室が欲しくなったら近くをぶらり
散歩して、喫茶店でも行けばいい。

がらがらっと引き戸を開ける音が
響くから、帰ってきたのが分かる。
靴箱という概念は薄くて、二人分の
靴が無造作に並んでしまう。

一応一枚扉を隔てているので、
玄関の「間」が確保されているのが
ありがたい。

台所で作業している手をとめて、
振り返って、おかえり・ただいまと
言い合うのがなんだか嬉しい。

最近はご飯をよく作る。
二人分は一人分より作りやすく、
大量に作っても一方が食べてくれて
作りがいがあるんだと思う。
冷凍できるキーマカレーを作った。

キッチン横のドアは、

小さな風呂場に繋がっている。
大きな風呂に入りたくなったら、
10分程度歩いて銭湯に行こう、
と言い合ってまだ行っていない。

廊下の向こうにはトイレがある。

こう言うと難だけど、家の割には
意外ときれいでびっくりしたし、
嬉しかった。手が入れてある。

こちら側の廊下は縁側じゃなくて、
洗濯機置場になっている。

机を置く位置は結構迷った。
台所にエアコンがついているし。

でも、隣の畳に置くことにした。

台所は物置として。こちらは、
寝室兼リビングとして使うことに
決めたのだった。

床の間があるおかげで、大きめの
花瓶を置いても平気なところが、
嬉しかった。

縁側でだらだら飲むのが、最近の
二人のトレンドだ。

玄関先まで見渡せるので、
宅急便が届く予定があるときは
なんだか便利。

こんなところに二人で住むなんて、
最初はまったく想像してなかった。
住めば都とはよく言ったもので
二人の暮らしにフィットしている。

二人で足のネイルを塗り替えながら
明日はどうしよう、なんて縁側で
のんびりしている。