どうせ一人で住むんだったら、
一人しか住めないようなところ。
それで、ご飯を食べるところと、
眠るところは、完璧に分けたい。

そういう理想を叶えてくれる部屋に
出会っちゃったんだ。

食卓は小さな丸テーブル。
PCが乗るサイズならそれでいい。

シンプルなスープを作って、ずっと
それを飲み続けるような暮らし。

洗面台の素っ気なさがたまらない。
鏡の裏の収納にすべてしまい込む。

窓辺でスープを飲んで、作業して。
落ち着いた光にぐっとくる。

脱衣所はトイレを兼ねている。

夢の猫足バスタブ。
一人暮らしをするなら、バスタブは
猫足がいいなって思ってたんだ。

パジャマに着替えたら、あとはもう
眠るだけ、というのが理想だけど、
そうもいかない。

半地下の寝室で日付が変わっても、
まだスマートフォンを見てしまう。
ブルーライトに目が焼かれるのは、
実家に居た頃と一緒だ。

寝不足の目をこすりながら、
地面の光に春を感じる。

間取り図を見て、おもしろいな、と
思って決めてしまったけど、意外と
住心地がよかった。

駅までの道に慣れてくると、
ようやく新しい暮らしが始まった、
そう思えてくる。