1965年築と聞くと、それだけで貫禄。
素朴だけど優雅なリノベーションです。
この空気感にまず、じーんとしました。

広大な面積を持て余すような、
こんな暮らし方が退廃的ですらあって。
都会の真ん中でこんな風に過ごすなんて。

すごいな、61平米のワンルーム。
だけど、カーテンで1LDKにもなるのか。
南側は土間なんですね。WICもあって。

主役はやっぱり、このキッチンでしょう。
巨大なワンルームに、ぽつんとキッチン。
セクシーですね。食卓と一体になっている。

窪んだ空間をカーテンで仕切って、寝室。
広い部屋の隅っこって、落ち着きますね。
ここだけごちゃっと荷物が多くてもいい。

この通り、南の窓に沿って土間でした。
木の床から一段下がるんですね。かわいい。
折り畳み椅子でビールでも飲みたいです。

だって、素晴らしく日当たりが良さそう。
だけど、目の前は高速道路というのが趣。
優越感と、少し寂しさと…ディストピア感？

いいですね。夕暮れ時なんていいだろう。
いや、真夜中もいいだろうし、夜明け前も。
車の音を聴きながら、窓辺でくつろぎたい。

この食卓に、ワインとチーズを並べて、
ぐずぐず過ごしている絵がすごく浮かぶ。
たぶん、私はほとんど働いていない様子。

会社へ行っている妻の帰りを待ちながら、
長い小説でも読んで、少しずつ酩酊して、
植物に水を遣ったりして暇潰ししている、

理由もなく、何度もシャワーを浴びている、
そんな甘えた僕の姿が浮かんでくるのです。
（そうか、ここはバスタブないんですね…）

ディストピアの優越、都会にあたたかい巣、
無垢の木の温もりにも飽きたなと感じたら、
とぼとぼ神楽坂あたりまで散歩しましょう。