週末だけ同棲しているような生活。
家主が寝ている間に、私はだまって
キッチンに立つ。

IHコンロの扱いも、最初の頃より
ずいぶんスムーズになった。

まだまだ眠っている家主のために、
ホットケーキと温かいコーヒーの
準備を整える。

出窓には二人の写真が並んでいる。
ちまちました小物と文庫本、雑誌、
使いかけのマニキュアも。

家主を起こす前にこちらは身支度。
良い化粧水を使っているから、
ちょっとだけ拝借しちゃう。

流石にシャワーは浴びないけど…。

戻ってきたら、のそのそと家主が
起きてきてキッチンを覗いていた。

「そろそろご飯にしようか」
「作ってくれたの？」「うん」

出窓の前の小さなテーブルと椅子に
ホットケーキとマグカップ。
休日の晴れた朝、いつもの風景。

食べ終えたら二人で洗濯物を干す。

今日も良い天気、と笑いながら、

大通りを見回して予定を話し合う。
どこに行こうか、なにをしようか。

そろそろ週末だけじゃなくて、
毎日一緒にいたいよね、と話そう。

私の靴、もっと置いておきたい。
趣味は似ているけど、やっぱり
サイズは違うし人の靴だし。

二人で過ごしてみないと、
わからないことだらけだから。
一緒の未来の備えた1LDKで、
週末だけの二人暮らし。