窓から入る光を独り占めする。
こんな部屋、きっと一人の間しか
住めないだろうから。

間取り図もなんだかとんがってる。
点線で描かれた「下り天井」が、
とっても気になって。

玄関に靴箱はないから、
厳選した靴を出しっぱなしで。

もともと、物は少ないから、
玄関横の不思議な収納のなかに
すべて収まっている。

小さなキッチンでの調理も慣れた。

ほら、上に天窓もある。

窓の下に真っ白なベッドを置いて、
部屋を見回すのが好きだ。

なにもかもがミニサイズに見える。
洗面台も、ちんまり一人分。

可愛い扉の奥にはトイレ、その奥に
お風呂。ちゃんと分けられてある、
気遣いを感じる。

部屋の照明をつけずに、ぼんやりと
外から入る光を眺めていたい。

ローテーブルを置いて窓辺で一服、
生活のワンシーンとして最高。

渋谷駅から歩いて10分で自分の家、
という環境もぜいたくだけど、

窓の向こうの光をひたすら眺めて、
それに溶けるように暮らしている。
いつか本当に溶けてしまうかも、
と密かにおびえている。